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決まっていることも、変えられる

大学は教育学部だったのだけど、ゼロ免課程といって教員免許を取得しない学科に入った。ただ、受験する時の資料には、希望すれば免許を取得する道もあると書かれていたはずで、入学後に教員免許は取ろうと思っていた。ところが、いざ入学してみると、「ゼロ免課程ですから、教員免許は取得できません」という入学ガイダンスがあり「話がちがーう」と一部で不満が出た。私が入学した学科は、創設二年目で、私たちのクラス以外には、一年先輩の学年があるだけで、まだまだ立ち上がったばかり、免許が取れないという話に、二年生の中にも不満を感じている人たちがいた。

そこから大学側との交渉が始まった。ゼロ免課程とはいえ、入学後に免許が取得できると思って入学してきた学生が何人もいること。入学後にそのアナウンスがあっても困ること。話し合いの末、大学側は、専門課程によって取得できる免許の教科を指定し、さらに、卒業単位とは全く別に、教員免許に必要な単位を全て取得すること、という条件を出してきて、私たちはそれを了承した。普通に卒業するのより、1.5倍くらい単位を取らないといけなくなったんじゃなかったかと思う。そして、私の学科が取得できる免許は、英語だった。

主専攻は日本語教育(日本語を外国語または第二言語として教えること)だったのに、国語じゃなくて英語?と最初は思ったけれど、学んでいくうちに、対象の言語が違うだけで、実は、外国語として英語を教える英語教育の方が共通項が多いことにも気づいた。また、英語科にも友人ができ、のちに20年以上関わることになるITC(Intensive Training Course of English)の合宿にも出会う。このイマージョンプログラム(対象になる言語だけの環境に身を置き学ぶこと)のおかげで、私は英語脳を手に入れることができたし、会話をするってどういうこと?とか、学ぶことにゲーム性を持たせること、みたいなことを体験し続けてきた。

もしも、学校のガイダンスで、教員免許は取れません、と言われて、不満を持ちつつ、文句を言いつつ、それに従っていたら、状況は何も変わらなかったはずだし、教員免許は手に入らず、その後の出会いも変わっていただろうと思う。動いてくれていた先輩たちのおかげで、大学側と交渉することができて、「決まっていることも、変えられる」という体験をしたのは、大きな出来事だった。


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