丼はすごい!
世界的に日本ブームが続き日本のブランド力や日本の文化が評価されるなか忘れてはいけない日本食に
丼があります。
丼は極めて庶民的で日本人に愛されている料理のひとつですが、他の料理に比べて極めて特殊なことにお気付きでしょうか?
①名前がすごい!
器の名前が料理の名前なのです。
確かに日本食の楽しみ方には目で楽しむ、器で楽しむということはありますがが、丼とは定義も定かではない大きなボウル状の器ということです。
そして、牛肉を入れれば、牛丼。鰻を入れれば、うな丼。天ぷらを入れれば、天丼というように、ご飯に載せたものと丼がくっついただけの、ごく簡単なネーミングです。
しかし、そのバリエーションは無限で丼という器に、ご飯を入れて、その上に具材を載せれば全て○○丼になる最も多様性のある料理なのです。
現にハンバーグ丼やステーキ丼等は言うに及ばずフォアグラ丼やフカヒレ丼何ていうものも存在しています。
そして、これが不思議と丼と名前に変わった時点で高級食材でも、なぜか庶民的に感じさせるのが丼のすごさなのです。
②何でもぶっかけご飯に変わるのがすごい!
庶民の料理といえばファストフードもそのひとつで日本には日本で育った多くのファストフードがあります。
寿司やそばはもちろんのことラーメン何ていうのも手軽に素早く食べられるという点ではファストフードのひとつでしょう。
そしてもちろん丼はファストフードの代表です。
実際に丼の歴史を紐解くとぶっかけ蕎麦を常食としていた江戸の町人文化が開花するとともに、丼という食文化は広がりを見せたようです。
名前の由来も江戸で一杯盛り切り飲食物を提供する店を「慳貪屋(けんどんや)」と呼んでいて、素早く食べるためにも便利な食事、まさに当時のファストフードで使われていた食器の「慳貪振り鉢」から来ているようで、何でも飯の上にぶっかけていたのです。
丼に載る具材がなんであれ、料理をゆっくり楽しむというより、かけ込むという感じの、ぶっかけご飯という感じになるのがすごいのです。
③食べる集中力がすごい!
素早くかけ込む丼には、他の料理のように、ご飯からおかず、おかずからご飯と、いうように箸の向けられる先が変わったり目線が動いたりすることがありません。
約15㎝程の直径の器は中一点に集中し、黙々と丼の中のご飯を具材(おかず)と共に、たいらげていくことができるのです。
上手いことを言えば丼だけに、“どんどん”食べられるのです。
実際、丼を食べている時は定食などを食べている時と比べると隣近所のことは余り気にせず集中して食べられることから食べ終わる時間も早く飲食店としても回転率を上げられるメニューなのです。
このことからも、やはりファストフードとして最適と言えるのです。
このように何でもおかずをご飯の上にたっぷりとかけた丼は、バリエーションも豊富で時間がかからず気取らない食事として好まれ、誰でも気軽に食べられる日本食として海外でも見かけることが増えてきているのです。
番外。ちなみに蓋もすごい!
丼には蓋がついているものと、ついていないものがありますが、これは何の違いなのでしょうか?
天丼やカツ丼などでカリカリとした衣の歯応えを残したい場合は蓋をしない方が良く、玉子丼や親子丼等のように玉子をふっくらさせるとか鰻などように身をすこし蒸らしたい場合には蓋をする方が良いのです。
このように丼の内容によって使うか使わないかを分けることによって丼の蓋は調理の補助的な役割も担うのです。
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