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書評講座受講生の神書評が登場~木下眞穂 × 豊崎由美「祝!生誕100年 サラマーゴの魅力を語る」

2022年4月の月刊ALLREVIEWSフィクション部門は2022年に生誕100年をむかえる、ポルトガル語圏唯一のノーベル文学賞作家ジョゼ・サラマーゴについてです。『象の旅』の翻訳者でもある木下眞穂さんと豊崎由美さんがサラマーゴを称えあいます。
※対談は2022年4月29日に行われました。アーカイブ視聴が可能です。

国民作家サラマーゴ

ポルトガル語圏唯一のノーベル賞作家であるサラマーゴは1922年生まれ。
サラマーゴの文章は、翻訳してもページが文字だらけで真っ黒。このためちょっと読みづらいですが、ユーモアにあふれたものも多く、沼にはまると抜け出せない。
木下さんによると、サラマーゴは、ポルトガル人は好悪は別にして最低1作品は読んでいる国民作家。ポルトガルは詩人が尊敬される社会であり、詩人フェルナンド・ペソアの「異名」リカルド・レイスをモデルに書いた小説『リカルド・レイスの死の年』は高校3年生の課題図書となっているそうです。ポルトガルの国語教育の文学的素養の豊かさを感じさせる話。実際には「参考書の読みどころポイント」を読んでる高校生も多いそうですが、それでもすごいと豊崎さん。

ザビエルの右手と象の足をつなげた「神書評」

木下眞穂さんが翻訳したサラマーゴ最晩年の傑作『象の旅』。豊崎さんは自身が主催する書評講座の課題作この作品をとりあげ、そこで受講生の素晴らしい書評を受け取ります。16世紀ポルトガル国王からオーストリア大公に象が贈られることになり、その象の旅をフィクションとして描いた小説。受講生の書評は、同時代に生きた象の足とザビエルの右手をつなげます。木下さんが感激した書評、アーカイブ動画では豊崎さんが朗読します。

このほか、対談では、パンデミックの元で再度注目された、目が見えなくなる感染症を扱った『白の闇』、人が死ななくなるディストピア小説『だれも死なない日』などが取り上げられます。また、エンタメ文学不毛の地だったポルトガルで近年エンタメが芽生えつつある話など、興味深い話が盛りだくさん。

外は大雨でしたが、お二人はとても和やかな雰囲気で、ポルトガル文学について語りあいます。豊崎さんのポルトガルの旅(2回行ってる!)も必聴!
詳細はアーカイブ動画でお確かめください。


【記事を書いた人:くるくる】

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2021年2月には、鹿島茂さんとの対談6本をまとめた『この1冊、ここまで読むか!超深掘り読書のススメ』が祥伝社より刊行されています。
2022年3月には鹿島茂プロデュースの神保町の共同書店"PASSAGE by ALL REVIEWS"にも協力しています。オンライン配信はPASSAGEから配信しています。
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