【気管支喘息】喘息におすすめ漢方薬の紹介
いつき博士です。
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喘息治療において
吸入薬の活躍は欠かせません。
加えて、重症喘息治療においては
注射薬の開発も進んできています。
基本的には吸入薬が第一選択ですが
全身管理を要する場合には
漢方薬が追加されることがあります。
今回は治療の幅を広げるために
漢方薬の可能性を考えてみましょう!
0.漢方薬?生薬?
0-1.漢方薬とは
日本の伝統医学である漢方医学理論に基づき
自然の生薬を混合して使用する治療薬です。
生薬の解説を知りたい方は
以前の記事をぜひご覧ください。
これまでの記事↓
「鼻炎におすすめ漢方薬の紹介」
0-2.代表的な喘息に効く生薬
そもそも喘息とは空気の通り道である
気道が炎症を起こしてしまっている状態です。
炎症の腫れにより気道は狭くなり
ゼーゼーヒューヒューという
呼吸が苦しい状態が続きます。
喘息に使用される漢方薬には
咳止め効果があるものに加え
炎症を抑える効果がある
生薬などが配合されています。
1.喘息に使用できる漢方薬一覧
喘息に対する漢方薬は
乾いた咳か痰が出やすい咳か
また喉に異常を感じるかの
症状の特徴で使い分けられます。
また咳の原因が何からきているか
という観点からも考えます。
胸や胃のつっかえからくる場合
不安からくる場合
それぞれに適した漢方薬があります。
1-1.小青竜湯(19)
●ショウセイリュウトウ
症状: 水様の痰、水様の鼻汁
寒熱:冷えを伴う方
Point:アレルギー性鼻炎では第1選択
1-2.麦門冬湯(29)
●バクモンドウトウ
症状:痰の切れにくい咳
寒熱:熱感を伴う方
Point:鎮咳去痰作用を期待した場合の第1選択
1-3.麻杏甘石湯(55)
●マキョウカンセキトウ
症状:喘息様症状
寒熱:熱感を伴う方
Point:発作時に効果あり
1-4.茯苓飲(69)
●ブクリョウイン
症状:胃食道逆流により増悪する咽頭異常
寒熱:寒熱往来(冷えと熱感が交互に)
1-5.神秘湯(85)
●シンピトウ
症状:不安や緊張からくる喘症状
寒熱:冷えを伴う方
1-6.五虎湯(95)
●ゴコトウ
症状:喘息様症状
寒熱:熱感を伴う方
Point:麻杏甘石湯+桑白皮で鎮咳作用強化
1-7.柴朴湯(96)
●サイボクトウ
症状:気分がふさぎ、胸部や喉のつっかえ感を
訴える場合の喘息症状
寒熱:熱感を伴う方
2.漢方薬のリスクは?
漢方薬はときに入院を要するような
危険な症状が出る場合もあります。
下記記事で詳しい解説をしているので
安心安全にご使用いただくために
一読いただけると幸いです。
これまでの記事↓
「鼻炎におすすめ漢方薬の紹介」
3.いつき博士の考察
今回は喘息に対して使用する
漢方薬の特徴についてまとめました。
アトピー型喘息患者における
RCT(エビデンスレベル高い試験)で
柴朴湯が有効であったという報告(*)も
2002年に公表されています。
咳や痰といった喘息症状だけでなく
胸部や胃の症状がある場合に
特に有用とされています。
喘息が悪化する原因は
思わぬところにあるという可能性も考え
自分に合った薬を見つけたい方は
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