ヴィーガンとプラントベースの違い
こんにちは。オールビーチズの運営チームの佐藤佳奈です。
前回の記事「ヨガとSDGs」で、『どれを買うか』よりもまず『必要か』を考えるのが大切だと思った私なのですが・・・最近買ったものを2つ紹介します!
▼一つ目は、ウールドライヤーボール(2週間使った後の写真です)
一緒に洗濯乾燥機に入れると乾燥機の使用時間を短縮できるドライヤーボール。明日までに乾かしたいものがあるけれど、乾燥機を回していると電気を浪費しているなと思っていて・・・。ドライヤーボールはそんな罪悪感を軽減してくれて、電気代も安くなる嬉しいアイテム!洗濯のはじめから、このボールを洗濯物と一緒に洗濯機に入れて、乾燥までそのまま入れっぱなしでOK。いつもより30分くらいは短くなった気がしています。はじめの3回くらいでボールのサイズは縮むんですが、効果は継続している感じがします。洗濯洗剤についてはいろいろ今までも試してきたんですが、乾燥時間の短縮ができるアイテムがあるとは知らず、出会えて良かった商品です。
【写真の商品】
・商品名:ウラット・ドライヤー・ボール
・価格:3,960円(税込)
▼「ドライヤーボール」で調べるといろいろ出てくると思うのですが、私はこちらで買いました!
https://borderlesscreations.com/products/ulat-dryer-balls
▼二つ目は、コンスターチでできたフロス・ピックス
歯ブラシは竹でできたものなどエコなものを目にする機会が増えてきていたんですが、フロスこそ毎回捨てるので、少しでもエコなものがないかな・・・と思っていたらありました!スウェーデンの会社が製造している、コーンスターチ主原料のフロス・ピックス。こんな商品がドラッグストアなどでも買えて、さらに国内製造になったらもっと嬉しいなと思っています。プラスチックのものよりちょっとお値段は高めです。
【写真の商品】
・商品名:フロス・ピックス
・価格:660円(税込)
▼「ドライヤーボール」と一緒にこちらで買いました!
https://borderlesscreations.com/products/dental-floss-picks
私は、買い物をするなら、なるべく環境負荷が少ないものを選びたいと思っているのですが、『環境負荷の少ないモノの選び方』は本当に難しいなと感じています。環境負荷は、そのモノ自体だけでなく、何からどうやって作られて、運ばれて、そして廃棄やリサイクルされるまでを含めて評価されます<環境影響評価の手法は、ライフサイクルアセスメント(LCA)と言います>。モノが完成するまでの製造過程や輸送などは、販売元も把握していない場合も多く、私たち消費者が知ることがなかなか難しいのが現状だと思います。消費者も簡単に確認できるのが、パッケージなどに表示されている、素材と廃棄・リサイクル方法。特に素材については、環境負荷のないものを選ぼうとしたときに、必ずチェックするポイントだと思います。
そこで注目されているのが、「ヴィーガン(Vegan)」と「プラントベース(Plant-based)」です。今日はその違いについて考えてみました。
ヴィーガンとプラントベースの違い
ヴィーガンは『完全菜食主義者』、プラントベースは『植物由来の』という意味で、元々は両者とも「食事法」について表す言葉だったと思いますが、現在は食事だけでなくファッションや日用品などの消費財に関しても一般的に使用されるようになってきました。
ヴィーガンは特に、健康上の理由よりも動物愛護や環境保護の観点や、宗教上の理由で「動物性のものを取り入れない」ことを実践している人が多く、ヴィーガンのマークは衣類や日用品にも見られるようになってきました。先ほどご紹介した「フロス・ピックス」にもビーガンマークが表示されています。
それに対してプラントベースは、「植物性のものをより多く取り入れていこう」というコンセプトで、食事に関して言えばヴィーガンほど厳格に「全く動物性のものを取り入れない」としているわけではないようです。宗教や動物愛護の観点よりも、健康的な理由でプラントベースな食事がおすすめされているように思います(最近では、環境保護を理由にしている人も多いと思います)。ただレストランなどでは、ヴィーガンマークを見つけたら、プラントベースな食事をしている人も選びやすいですよね。
でもプラントベースという言葉をファッションや日用品などの消費財に使うときは、ヴィーガンとは明確に違う意味を持ちます。例えば「ヴィーガン・レザー」のひとつ人工皮革は、化学繊維に合成樹脂を含浸させたもので、プラントベースではありません。(プラントベースなヴィーガン・レザーについては文末記載します!)
最近よく目にするようになった竹でできた歯ブラシや、先ほどのコーンスターチのフロス・ピックスは、ブラシやフロス部分はプラスチックですが、大部分が植物由来のもので作られていて、「plant-based」と表記されています。消費財でプラントベースと表現されるものは、素材の大部分が『植物由来であること』、つまり『動物由来でないこと』に加えて『プラスチックや金属でないこと』も含まれています。
「環境負荷の少ないモノ選び」は本当に難しい
私も、環境に配慮した商品を選ぼうとしたときに、プラントベースは一つの目安にしています。でも、『植物由来のもの全てが、本当に環境負荷が少ないのか』というとそうでもなさそうです。
例えば、食用植物油脂やボタニカルシャンプー、洗剤によく使われている『パーム油』のほとんどは、熱帯雨林を伐採したり焼いてつくられたプランテーションで育てられたアブラヤシから採られています。アブラヤシ・プランテーションによる熱帯雨林の消失は深刻な環境問題につながっています。そこに住むたくさんの動物の命も奪い、動物愛護の観点から、ヴィーガンの人にも避けられている原料です。
▼アブラヤシ・プランテーション問題についてわかりやすいサイト(認定NPO法人ボルネオ保全トラスト・ジャパン)
http://www.bctj.jp/3minutes-palmoil/
▼持続可能なパーム油製品の生産・購買・融資・利用を促進するためにつくられた組織RSPOについて(WWF JAPAN)
https://www.wwf.or.jp/activities/basicinfo/3520.html
※パーム油を含む商品を購入するときは、RSPOマークがあるかどうかチェックするのが良さそうです
冒頭に紹介したドライヤーボールは、ウールなので動物由来ですが、天然素材で、電気代を削減できるという点では環境に優しいものだと私は考えています。でもヴィーガンの人には選ばれない商品です。
また、最近ではペットボトルなどのプラスチックごみを再生してできた素材を使ったものも増えてきて、プラントベースではないけれど、環境に配慮された商品として注目されています。
▼アディダスの靴(プレスリリースより)
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000758.000003301.html
…と知れば知るほどに、環境負荷の少ないモノ選びは難しい!でも知ることがまず一歩で、その上で自分なりに納得して買い物がしたいなと思っています。
世界中の人の開発力はすごいもので、より環境や動物に優しい素材開発が進んでいます。ヴィーガン・レザーについても、プラントベースのものが登場しています。
▶︎キノコで作られたヴィーガン・レザー「MYLO」
https://www.mylo-unleather.com/
▶︎パイナップルで作られたヴィーガン・レザー「PINATEX」
https://www.ananas-anam.com/
オールビーチズ・運営チーム
佐藤佳奈
オールビーチズ公式サイト
https://allbeaches.jp/