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原生林から湧き出すご神水の、秘めたる力を。 下鴨神社(賀茂御祖神社) 「水守り」

◆この記事を書いた人
京都外国語大学国際貢献学部グローバル観光学科1回生 中嶋純花


鴨川と高野川に挟まれた三角州地帯に広がる、大古の原生林をいまに伝える糺の森。いにしえより絶えることなくこんこんと湧き出てきた神聖なる水をたたえ、樹齢600年を超える木々が生い茂る神聖なる森に抱かれたこの地に、古くから人々の信仰を集めてきた世界遺産・下鴨神社はある。下鴨神社の正式名称は賀茂御祖神社(かもみおやじんじゃ)。古代の豪族・賀茂氏の氏神を祀る神社で、上賀茂神社(正式名・賀茂御祖神社)とともに「賀茂社」と称された。

社の西殿には賀茂建角身命(かもたけつぬみのみこと)、東殿には玉依媛命(たまよりひめのみこと)がそれぞれ御祭神として祀られている。賀茂建角身命は賀茂氏の始祖であるとともに、古代の京都を開いたとされる神様で、国家国民の安穏と世界平和の守護神であるとされている。玉依媛命は賀茂建角身命の娘。鴨川で禊をしている際、上流より流れてきた丹塗の矢を拾い、床に置いたところ、矢は美しい男神になり、結婚して子を生んだとの神話が伝えられている。そのため古くから縁結び・子育ての神さまとして信仰されてきた。


社伝によれば賀茂御祖神社の歴史は紀元前まで遡り、崇神天皇7年(紀元前90年)に神社の端垣が修復されたとの記録が残されていることから、それ以前よりお祀りされていたと考えられている。

賀茂御祖神社にはさまざまな末社があるが、なかでもかならず訪れてほしいのが井上社だ。井上社は別名御手洗社とも呼ばれ、御祭神として水の神様である瀬織津姫命が祀られている。この井上社の前にある御手洗(みたらし)池とその池から流れる御手洗川がある。じつはこの池から湧き出る水泡をかたどって作られたのが、あの有名なみたらし団子だとされている。土用の丑の日にこの池に足をつけると病気や脚気に罹らないとの言い伝えから、毎年夏の土用の丑の日の前後4日間には足つけ神事(御手洗祭)が行われ、地元の人をはじめ多くの人で賑わう。

水にゆかりの多い下鴨神社でおすすめのお守りは、やっぱり「水守り」。丸くて透明なこのお守りのなかには、水とともに下鴨神社の御神紋である「双葉葵」をかたどったものが入っているのが特徴で、小さな金色の鈴が付けられており、とてもかわいく愛らしいお守りである。水守りの御利益は病難除け。葵は「あふひ」と書き、「あふ」は「会う」、「ひ」は神様の力を示す言葉で、「大きな力に巡りあう」という意味であると伝えられている。紐の色は赤、青、緑、ピンク、白の5種類から選べるので、友だちと色違いで持つのも楽しいだろう。

また、下鴨神社は多彩なお守りがあるのも特徴。女性守護・縁結びのご利益を持つ「媛守(ひめまもり」は、社務所にずらりと並ぶピンクのお守りは絵柄がすべて異なり、自分だけのお守りを選ぶことができる。また、開運招福のお守りで透かしレースに双葉葵とふじの花の刺繍が施され、とても美しく気品のある「レース御守」も人気が高い。あなた自身にピッタリのお守りを見つけにいくのもいいかもしれない。

◆下鴨神社 公式サイト


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