#10 【2023年版】 大晦日に京都の観光メディアALKOTTOの人気記事をまとめてみた
昨年もやった、今年の振り返りとアクセスの多かった記事ランキングです。今年はもう去年以上に仕事が忙しくて、大晦日にこれを書きながらもまだ仕事の原稿も書いています。明日の元旦はさすがに休みますが、三が日もまあふつうに家で原稿やってますよ、くらいの忙しさです。
まずは振り返り。
紙面づくりが春に終わって、ひと息ついた頃にはもう新年度。一年生が今年もたくさん入ってきたものの、何度かきてやめた子や、2年生のなかからも何名か脱落者が。まああまりネガティブな感じではなく、京都外国語大学の学生さんはみなさん活動的な人が多く、いろんなサークルや団体を掛け持ちしながら、数多くのプロジェクトに参加している人が多く、さすがにすべてはできないよということだと思います。
なんといってもこのENJOY KYOTOと京都外国語大学の連携によるALKOTTOというプロジェクトはゼミではないので単位ももらえず、学校公式のサークルでもないので学校からのサポートも得られない、まあ言ってみれば参加しても対して直接的なメリットはない活動なのです。なので、そこはぜんぜん前向きな印象です。
でも逆に言えば、それでもやりたいという学生のみが集まってくれているということ。少数精鋭(少数でもないけど)というか、少なくとも腰掛けで参加している人は一人もいません。なのでみんなすごく積極的に取り組んでくれています。
そうこうしているうちに夏休みになって休止。秋が来ると紙面づくり。チーム分けをしてコンペ形式でアイデアをチームごとにプレゼンしてもらい、そこから企画を消え込んでいく作業、決まった企画を詰めていく作業。こうしたことを毎週の昼休みの1時間と、たまに行われるオンラインミーティングのみで決めていくのは、なかなかたいへんだったけど、リーダーのまおちゃんを中心にみんながんばってくてました。
それからもうすぐ卒業する4年生のあゆかちゃんが、誌面を京都市内のいくつかのホテルに自分でアポを取って自ら納品に行ってくれました。旅行代理店に就職が決まった彼女は、ちゃんと個人名刺も作って配布先のコンシェルジュや担当者に渡していて、彼女なりの営業活動なのかなと思い感心した次第です。社会に出たらコネやネットワークがものをいう場面が必ず来るので、とてもスマートだなと思いました。
そうなんです。そうやって就活や自分の売り込みに使ってくれたらいいと思う。それにはメディアという名の下で、普段学生ではなかなか足を踏み入れられない場所に伺ったり、めったにお会いして直接話をさせてもらう機会のない人にも会えたり、そういうことができることこそが、この活動の最大のメリットなのだから。
実際についにALKOTTOに初めてのコラボ案件のオファーが届いたのもこの12月のこと。少しずつ認知度が高まり、活動のフィールドが広がっていく気配と手応えを感じた2023年でした。まだ詳細は明らかにできないですが、なかなか楽しそうな案件なので、これは来年のお楽しみということにしたいと思います。
さて、ではランキングです。昨年のランキングはこのnoteができたのが2022年7月だったのでいわば半年分のランキング。今年が初めて1年分の記事の中からのランキングということになります。なので昨年はベスト5の発表でしたが、今年はベスト10から発表していこうと思います。
10位「カラフルなお堂を護るユーモラスな神の使い。 八坂庚申堂「指猿」」
ももかちゃんが書いた記事。こちらは今年の春に完成した誌面「KYOTO SCHOOL TRIP GUIDE Vol.2 お守り特集号」のために昨年冬に取材した内容をまとめた記事です。
ももかちゃんが着物を着て八坂庚申堂の境内で撮影した写真は、表紙にもなっているのですが、やはりカラフルでかわいらしく、とても印象的な表紙デザインになったと思っています。八坂庚申堂というと、このカラフルなくくり猿のイメージですが、この指猿もなかなか可愛くてよいです。ぼくも指猿を買って作業デスクに置いていたりします。個人的には宮司さんにくわしくお話を伺った「庚申信仰」の話が興味深くておもしろかったです。みなさんもちょっと調べてみるといいと思います。
9位「京都芸大で受けた刺激に心ときめく9月22日金曜日の記録」
この記事はリーダーまおちゃんが書いた記事。もともと懇意にしているHANAO SHOESでおなじみのWHOLE LOVE KYOTOの溝辺千花さんとも京都外国語大学のALKOTTOと京都芸術大学のWHOLE LOVE KYOTOでコラボできたら楽しいなという話を前からしていたので、まおちゃんに話をしてみたらあれよあれよと交流が深まり、じゃあ手始めにT5のポッドキャストに出てみませんか?となって、その打ち合わせとして京都芸術大学に行った時の話が書かれています。
じつはこのコラボは前から密かに進めていたものの、コロナもあってなかなか実現できてなかったこともあり、ようやくというところ。だって「デザイン+伝統工芸+グローバル観光+外国語」。この組み合わせ、いま京都がいちばん必要としてることじゃないですか?しかも「大学+スタートアップ」もセットですから。いま京都では外資系や東京からスタートアップ支援や大学と企業をつなぐプロジェクトがいくつか進んでいますが、そのずっと前から構想していたことなので、負けじと自力で大きく育てたいなと思っていますので、今後とも温かく見守っていただき、企画コラボ案件を探してるプロデューサーさんや、海外向けに情報発信&商品開発したい企業や職人さん、若い可能性あるスタートアップに支援したいという投資家や銀行さんなどなど、もし興味あったらお声がけください。
8位「ALKOTTOの仲間たちと歩く初めての宇治 #1 「茶そばと平等院」編」
これは2年生のさやちゃんがまだ1年生の時に書いた記事。メンバーで宇治を散歩してその様子をレポートしようということで始まったマガジン企画。自分たちでツアーを企画して、それを実際に自分たちで歩いて、それを記事にするというのはすごくいいなと思いました。雑誌などのライターではなく、どちらかというとルポライターのようなやりかた。それもチームで合同でやっているのがおもしろいですね。こういうのプロではできない企画ですよね。ライターが何人か集まって旅をしてパートごとに担当するなんていうのは、聞いたことないですから。
宇治を紹介する記事は他にもたくさんあるし、もしかしたら平等院や茶そばというのもありきたりなスポットではあるかもしれない。けれど、このように学生メディアならではのユニークなフォーマットで、おもしろい切り口の記事が楽しめるのもALKOTTOの魅力なのです。
7位「あなたの心を映し出す、健康と美の守り神。 若宮八幡宮「美の鏡守」」
この記事は、いまはチームを離れたサラちゃんが書いた記事。才色兼備として知られる神功皇后をご祭神としているだけあって、美人祈願や安産祈願などのご利益があることで有名な神社です。なんといっても鏡(コンパクト)がお守りになっているというのがユニークでかわいいということで学生たちはここを選んだのですが、本来的に鏡というのは神聖なもので古代の祭祀や天皇家の儀式などにも使われていたし、三種の神器でもある分けですもんね。そう考えるとこのキュートで現代的なお守りも、神聖なものに感じてくるのでした。
あとぼく個人的には境内にあった銅製の狛犬と、胞衣塚が興味深かったですね。とくに胞衣塚というものの存在は、ぼくはそれまで知らなかったのでそういうものは他にもあるのか気になったのでした。
6位「#6 「KYOTO SCHOOL TRIP GUIDE Vol.2」が完成しました」
これはぼくが書いた記事で唯一ランクインしたもの。まあそれだけ今年はみんながたくさん、そして良質な記事を書いてくれたということですね。
まあ今号の制作にあたっての経緯やプロセスごとに感じたこと、このメディアを通じてこういう企画ができたことの意義などについて書いてますね。ふだんは自分の書いたものを後になって読み直すということはあまりないのですけど、さすがに自分の運営してるメディアだと、こういうことが必要になるケースがあるんだなあと思いました。
5位「四季で変わるお守りが恋の季節を連れてくる。 六孫王神社「鯉守り」」
さていよいよベスト5です。これはりなちゃんが書いてくれた記事。六孫王神社はぼくも初めてだったのですが、境内のすぐ横を新幹線が走っているという立地といい、なんとも不思議な感じの神社でした。桜の(隠れた)名所ということで春には地元の人を中心に賑わうのだとか。
六孫王の由来についても書いてくれていますが、清和源氏についての宮司さんのお話が面白かったです。慣れない手つきで、でもパソコンを出してきてパワーポイントを使ってプレゼン形式で説明してくれた神社さんはこれまた初めてでした。縁結びで有名なんだそうだけど清和源氏で縁結びというのもイメージが違うと思ったのだが、話を聞くとまあ武家だからやはり子孫繁栄は大事だった、ということがあるのだとわかって、あーなるほどと思いましたし、なんか知ってるようで知らないことがまだまだ多いなとあらためて感じた取材でした。
4位「悪縁にさようなら、良縁にようこそ。安井金比羅宮「悪縁切り守・縁結び守」」
こちらもいまはチームを離れたなぎさちゃんの書いてくれた記事。北野天満宮とかもそうだけど、京都の神社って、どうも悪霊を鎮めるみたいなのが多いと感じた取材でした。でもたしかにひどい災いが立て続けに起きたとき、むかしの人はそうやって悪霊の仕業だ、祟りだとリアルに思ったということでしょうね。実際に雨月物語は今昔物語なんか読んでても、いわゆる霊異記みたいな感じもあって、死者の世界と現世にあまり明確な境界線はなく、互いに行き来している感じはあるんですよね。ましてや盛者必衰の世相の中で、恨みを買うような謀略なんかは日常茶飯事だったりもしただろうしね。
なかでもダークヒーローというかヴィランとしての崇徳上皇が怖すぎ。京都の人は崇徳上皇がよっぽど怖かったんだろうなあと思いつつ、大河ドラマ「平清盛」での井浦新さんの演技を思い出すなど。
3位「京都の商店街を歩く#1 買い物+会話=“買い話”が楽しい「古川町商店街」
これはももかちゃんが書いた記事で、商店街シリーズのマガジン企画第一弾。まだ最近スタートしたばかりなのでこの記事しかないのですが今後も商店街ぶらり歩きの記事を連載していく予定だそうですので、みなさんお楽しみに。
なんていうかこれもやっぱりぼくはこう書かないというか書けないなあと思いました。ほんわか、優しさや暖かさが伝わってくる記事ですよね。ぼくだったらもうガッチリ解像度上げてその優しさの正体を精緻に書いていこうとするんだと重置います。もちろん文体は柔らかくしてそういう人の温もりを感じるようなタッチで書きます。そのくらいは流石に「キャリアがあるのでできる自信はある。でもなんというかこのケータイ文学みたいな感じ。短文でコンパクトに内容がまとまってて。たぶん解像度は高くないんですよ。でもじんわりと、その向こう側にいる人たちの声が聞こえてくる気がします。これはいいなあと思いました。古川町商店街、歩いてみてください。そして京山食品さんに行ってみてください。
2位「季節が変わって喜んでいたい」
これも最近の記事でさやちゃんが書いた記事。ぼく個人としてはこのエントリーがベスト1ですね。いい文章です。ほんとうに。この記事もまあテクニック的なことでいうと、もちろんプロレベルにはないし(プロの条件は再現性だから)、そういう意味では学生らしい記事だと言えると思います。でもエッセイとして読んだときに、ちょっと作家性があると思いました。ももかちゃんのケータイ文学的なフレッシュさの魅力とはまたちがう魅力がありますね。うまく言葉にできないのだけれど、読んでいてスーッと読み進められて、自分がそれを体験してきたみたいに読み進められるんです。たぶん誰もが考えたり感じたりしそうなことしか書かれていないし、とくに斬新だったり表現がユニークなわけでもないのに、なんだか惹き込まれていって、読み終えた時にああこの人の別の文章も読んでみたいと思わせる不思議なちからがありました。優秀か書き手がたくさんいて、本当にいいチームになってきたなと思います。
1位「スポーツの神を祀る、アスリートの聖地。白峯神宮「叶う輪」」
この記事も、さやちゃんです。さやちゃん3個ランクインしてしかもワンツーフィニッシュだから、2023年のMVPですね。
さて、その白峯神宮ですがご祭神は例の崇徳上皇。出た。ということでここもまあちょっと怖い場所でもあるのですが、一般的には蹴鞠の聖地ということでサッカーを始めスポーツチームや選手が必勝祈願に訪れる神社として知られています。このエントリーが第1位になったのは、おそらくサッカーのワールドカップ予選や、野球のWBC、バスケやラグビー、バレーボールなどのワールドカップなど、スポーツのビッグイベントが多く、テレビやマスコミなどで取り上げられたりしたとかで、注目されることが多かったのかもなあと個人的には予測しています。
じつは白峯神宮はうちの次男坊がサッカーをやっているので、ちょっと縁がある神社。チームで初詣に行ったりもしていますし、お守りも買ったりしてました。
というわけで、今年のベスト10は紙面で紹介した記事に関するエントリーが多かったですね。それはおそらくは4年生のあゆかちゃんが、がんばってあちこちに配布してくれたことも関係しているような気がしています。なぜなら誌面にはこの記事のQRコードが添えられているからです。
それと新しい書き手がどんどん才能を発揮し始めていることも今年の収穫でした。ももかちゃんは去年も良質な記事を書いてくれていたけど、今年はそれに加えてさやちゃんが颯爽とその名を轟かせてくれたし、じつは他にもまだまだたくさんいい記事を書いている才能豊かな書き手がどんどん出てきてくれています。
最後に最近の個人的お気に入りの記事をいくつか上げて終わります。
3年生のみづきちゃんの自己紹介エントリー。言葉が綺麗で丁寧。なんてことない自己紹介なんだけど、物静かでそれでいて強い思いを持っている人の文章という感じがひしひしと伝わってくる気がしました。こういうの、けっこう書けない。
1年生のゆりあちゃん。2年生の小春ちゃんをインタビューした記事。タイトルが小春ちゃんの名前を文字って作られてて、コピーライターかよ!って思いました。やるじゃん。
これはももかちゃんが、ひとみちゃんにインタビューした記事。小春ちゃんやひとみちゃんはSNSチームということもあって、ミーティングにはよくきてくれているものの、直接いろいろ考えなんかをじっくり聞いたり話しあう機会があまりなかったのだけど、この記事を読んで、ああなるほどそういう考えの人だったのだなあって、ちょっとわかった気がしてうれしかったです。そういう意味でもこのインタビュー企画、良いです。
これは最新記事。六孫王神社の記事を書いてくれたりなちゃん。こちらは気温の寒さと心や情景の暖かさを対比的に書いてて、これもプロっぽい構成になってるじゃんって思いました。シチューのCMコピーの「冬はあったかい」みたいな感じだね。
というわけで、来年もこうして素敵な記事が上がってくると思います(来年はこの辺がランクインするかな)。もしかしたらコラボ案件も増えるかも。なので、どうぞ2024年もよろしくお願いします。