『耐光』
「ほら食えよ。今日はなかなかのごちそうだぞ」
離れた場所からも分かる腐った臭い。無理だ。
頭は拒否しているのに、空腹な体は近づく。
覗き込んで目を疑った。様々な残飯の寄せ集め。
即座に顔を背け胃から吐き出す。涙も流れ出す。
「兄ちゃん、まだまだだな」周りの奴らが笑う。
「悔しいか?これがホームレスの始まりだ。
抜け出したいなら、食べろ。無理にでも食え。
いずれ体は慣れる。そこからは自分で考えろ。
どん底でも、生きなきゃ未来は見えねぇぞ」
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