福丸小糸に恥じない自分になるために
生まれてこの方18年、自分の努力はいつだってあの福丸小糸の努力に及んだことはない。
自分と彼女が出会って半年が過ぎた今でも、彼女のあの努力はいつだって眩しく自分を照らしてきてくれたが、しかし自分の中のどこかに陰をつくっていた。
友人に勧められていたシャニマスを初めて最初に選んだアイドルは、周りの幼馴染たちに追いつこうとして頑張って、頑張って、頑張って、それでもまだ彼女自身には満足せずに努力を重ねるひたむきなアイドルだった。
初めてのwingで敗退してしまった彼女はそれでも頑張ることをやめず、何度目かのwingを優勝し、新たな目標を見つけて旅立っていった。
その後も紆余曲折を経ながら、彼女はアイドルとして輝こうとしている。
ではわたし自身はどうだろうか。
もう僅かに迫った大学受験を前にしてもなお、自分の中には隙があり、受験勉強に対して逃げてはいないものの、一歩離れたところで戦っているのではないか。
中学校でも、高校でも、部活でも結局は最後の結果を受け入れる準備だけをしてきて、結果を変えようとする努力をしてこなかったのではないか。
仮に今までのあの姿を努力というのだとして、それはその二文字を背負う福丸小糸に対して胸を張れるのか。
この半年間で、彼女の物語を見てきた自分はプロデューサーでもなく、ただのファンですらなく、等身大の自分であることを忘れてはいけない。
そして彼女の存在が、コンテンツの中だけにあるのではなく、現実の、自分の心の中にいることを意識しなくてはならない。
共通テストまで残り二ヶ月。
東北大学二次試験まで残り三ヶ月。
4月の私がまたシャニマスを開いて、そのホームに待つ彼女に対して恥じない自分であるように、日々を送らなくてはならないと戒める。