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【再掲載小説】ファンタジー恋愛小説:最後の眠り姫 (9)

前話

「なんて長い一日だったのかしら・・・」
 手の中にある手紙を見ながら思う。豪華な夕食後、クルトはそれを渡して、一人で読むなら読んでいい、と渡して隣の宮殿に帰っていった。
 読みたいような読みたくないような・・・。夜の帳の降りた宮殿はまだ、明々と電気というものがついていたけれど、まだ目が慣れない。私の眠る前は夜は蝋燭の明かりが何時もの明かりだった。
「これ、どうやって消すの?」
 そして、いつもお母様が消しに来ていた。
「その壁のスイッチを押すと消えるんだよ」
 不意に聞こえた声にびっくりする。
「クルト!」
「フリーデから聞いたよ。電気にびっくりしているけれど、どう説明すればいいかわからない、と」
「そう。そうね。びっくりしたわ。こんなに部屋が明るいんですもの」
 自分に言い聞かせるように言う。
「手紙、読む?」
 クルトが言う。見るととても優しい微笑みを浮かべていた。
「一緒に見てくれる?」
「いいとも。ただ、ここはエミーリエの自室だからね。紳士としてはさっきの居間にしよう」
 クルトが手を取ってまた向こうの部屋へ連れて行く。私はふわふわと雲の上を歩いているような気分だった。
「さぁ。その封を解いて」
 手紙を開けるとおじい様と思われる男性の字があった。
「この文書を読むものへ、っておじい様固いわね」
 ふっと笑みがこぼれる。私の名前と目覚める日時。細かい事が書いてあった。そしてその下には見覚えのある字。お母様の字だった。事細かに私の事を書いてある。私は恥ずかしさで真っ赤。
「お母様、どこまで娘の事を書くの」
「それだけ愛している、って事だよ」
 いる、とクルトは現在の言葉で言った。もう過去なのに。お母様は生きていないのに。ぽとり、と滴が手紙に落ちる。あわててテーブルに置く。貴重な手紙を涙で崩すわけにはいかない。ただ、今もお母様達がどこかで生きているような気がして切なかった。涙がぽろぽろこぼれる。
「お母様、会いたい」
「俺の母も君のお母様だよ。君のお母様のようにしたってあげて。きっと君がお母様と呼べば大喜びするよ」
「クルト・・・」
 見上げたクルトの微笑みはどこまでも優しかった。まるで優しく照らす月のよう。そう。今夜のような満月でなく少し欠けた十六夜の月のように。顔が近づいてくる。だけど。次の瞬間吹き出した。だって。「ちゅー」なんて言って顎を持ち上げたんだもの。あまりの事に私はクルトを避けていた。
「なんだ。ちゅーはダメなのか」
「ちゅーがダメなのでなくてその『ちゅー』って言葉が笑わせるのよ。そんな面白い事言ってキスしようとする人初めて見たわ」
 私はケラケラ笑う。その笑い声をまた優しい表情でクルトは見ていた。
 この人はとても温かい人なのかもしれない。どこのだれだかわからない人に嫁がされるのではと思っていたけれど、これはこれでいいものかもしれない、と思い始めていた。


はい。ちゅー出現。これで私は大人の世界をぶっ潰しておりました。この企みが成功するとラブコメになる。かといって人も選ぶ。かつてこの方式がうまく行ったのはエミーリエの叔母の一人と訳あり姫と「災難な王子と姫君」の中だけ。あとはお熱いシーンが満載なので自主規制なんです。読みたい場合はNOVELSDAYかWordpressに載っているかも。あちらもXアカウント消してこないと。あちらに最近行っていないため更新が止まってます。

ああ、提出文もありました。春夏秋冬~小さな物語~夏夜前編の上下を。やっと体裁を整えたので名前表とともにやらないと。土曜日の夜には……。の季語を扱ったモノだけ出すんです。八話あって四話四話でわけてなんとか短編になりました。秋は今作っているところです。今週もあるわね。また歳時記とにらめっこ。そして読む対象とか考えないと。でも決して主婦層には至らないのでした。主婦目線がないので。かといってキャリアのある方でもナシ。季語がそこそこ読める方向きです。ああ。これ秋のね、ぐらいの。

さて、夜活を終わって眠らないと。

明日こそ、朝活万歳。のはず。五時半でなくとも六時には起きたい。不届きもの復活。朝六時の朝活野郎。本とは四時なのにね。ゆるゆるでやってます。

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