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【連載小説】ファンタジー恋愛小説:影の騎士真珠の姫 第十七話 東屋での企み

前話

「カタリーナ、ライアンの隣で良いから早く座って」
 フィーネペルルがせかせる。
「って、ここを誰かに見られたら……」
「どうせ、騎士と姫君のただの戯れにしか見えないわよ。本気なんて誰も考えていないわ」
 すぱっと切り落とすフィーネペルルにカタリーナは首をかしげる。
「フィーネってそんなにはっきり物事を言う性格だったかしら?」
「人は変わるのよ。いつだって。それより、あなたの侍女のマリアの事なの」
「マリアの?」
 カタリーナも気にかけていたらしく、身を乗り出す。
「私の不思議な力についてはライアン様も知ってますね?」
「ええ……。まぁ」
 この城では触れてならぬ禁忌だ。
「それで、マリアがヴァルトのお姉様って事がわかったの。でも、私の力では記憶は戻せない。そこで薬を探していたのはカタリーナも知ってるはずね。そこで、こんな花を知ったのよ」
 古びた本を取り出す。
「ここよ」
 しおりを挟んだページをフィーネペルルは開く。
「ミィスティクローズ? 記憶を取り戻す薬……になるの?」
 カタリーナの言葉にフィーネペルルはええ、と肯く。
「ここから東方のアムネシアという国のエーデンローズの聖域という洞窟の中にあるらしいの。私はこの花を採取して薬を作りたいのだけど、ヴァルトが二人きりで旅行は自信がないんですって」
 最後の方は不機嫌になりながら言う。もちろんヴァルターへ向かっての言葉だ。
「察するよ。ヴァルト」
 ラインハルトがぽん、と肩を叩く。
「だろう? なのに、このお転婆姫は二人きりで旅行したいと言うんだ。私としてはカタリーナ様にもフィーネにも良い機会だから二人をアムネシアに連れて行きたい。フィーネは執務経験者で、王位継承者第一位だ、親書を持って行けば、なんとか花の採取が可能になるかもしれない。私が聞き知っている限りはエーデンローズの聖域は一般人も入れない聖域。簡単に薬草を下さいというわけにはいかない。ライアンとカテリーナ様に助力をお願いしたいんだ」
「助力って? 何するの?」
 カタリーナが不思議そうに聞く。
「いてくれるだけで良い。それで十分間が持つはずだ。それに旅は二人の女性に良い経験になると思うのだ。特にフィーネは一度、この国から出た方がいい。新しい自分と向き合う時間が必要だ」
「なるほどね」
 フィーネペルルより若干耳年増のカタリーナはそれで納得する。
「フィーネにはおしゃべり相手も必要ね」
 ヴァルターだけでいいのに、という顔をフィーネペルルはしているが、その表情にライアンも肯く。
「確かに健全に旅を続けるためには我々が一緒の方がいいね。カタリーナもいいかい?」
「ええ。私も外の世界には興味があったの。フィーネさえ良ければお供させて」
「私は別に構わないけれど、ずっと宿屋という訳にはいかないわよ?」
「だから、だ」
 ヴァルターが強調するとフィーネペルルはつん、とそっぽを向く。
「ヴァルト。お前、フィーネペルル様に何を教えたんだ?」
「何も」
 二人同時に答える。だが、不機嫌は治らない。ラインハルトがため息をつく。
「この国中がうらやむ仲の姫と騎士は行き違いを起こしているようだね。カタリーナ、恋の手ほどきをしてあげて差し上げないか?」
「そうね。フィーネは機嫌を損ねたら後々まで響く人間だから」
「そうなのか?」
 ヴァルターが驚きの声を上げる。
「何をしくじったのかは知らないけれど、協力させてもらうわ。それに、四人もいれば花も手に入るわよ」
「どこからそんな自信がでるの?」
 フィーネペルルが不思議そうにカタリーナを見る。
「カンよ。女のね」
「そう……」
 そう言ってフィーネペルルは思考の泉に落ちていく。
「よし。人数は決まった。フィーネ、いや、、カタリーナ様から国王に親書のお願いをしてくれませんか? この思考の泉に入ったフィーネを元に戻す方法を私は知らないんでね。それにマリアの主君はカタリーナ様であるし……」
「いいわ。しばらくここにおいておきましょ。何を考えてるかはわからないけれど、こうなったフィーネを元に戻す方法は私も知らないわ。エルフィを番犬代わりにおきましょう」
「エルフィなら私が連れてこよう」
 ヴァルターが立ち上がるが、フィーネペルルはまったく見ない。何を考えているのか。いや、何かを捕らえて分析しているかのようだ。戻す方法はあるにはあるが、不機嫌をさらにこじらせることになる。フィーネペルルは何を感じ取っているのか。それはまだ三人にはわからぬ事だった。


あとがき
結局通院を前倒しして欠勤しました。代わりに通院で休む日を出勤に変えました。で、短い時間聞く睡眠導入剤いただいて、帰ってきました。

余りの暑さに汗がすごかったです。ので、空調の効いた部屋でぐっすり昼寝。久しぶりに寝た気がします。で、更新作業。執筆は少し思い付いたことがあったので「星彩の運命と情熱」を改稿しておきました。まだ掲載前なのでどうなのかは皆様にはわからぬところですが。でもやっと目的に地にたどり着いた。次はドラゴンの世話だ。インコの雛並みにきっとご飯が必要だと思うのでそこのラブコメを書けたら、と思います。

ま。そこまでに十話ぐらい進まないと出ないんですけど。昼間に十六話をイジったところでして。先が思いやられます。他の話も進めつつ更新作業もいるし。執筆(4000字の方)をさっさと書かないと。あと一話で花屋elfeeLPiaシリーズは40話。第2シーズンに入ります。そこで一度作品につける名前を変えて(史莉に統一)経由で掲載してもらうことに。現在秋声がのっておりますが、あまり読まれてないようです。季語なんて俳句する人しか知りませんもんね。ただのキーワードなんですが。最終話で40話になってこれも一度完結するんですが、何故かもう次のシリーズの第一作は「梅」って決めていて、出だしも決めてるんです。俳句から離れているのになぜか決めていて。後続がどうなるやら、なんです。

歳時記も見てないし、吟行もしてないし。本も読んでないし、と不勉強さがにじみ出るほどの状態なのですが。

あー。また眠気が……。今日は執筆はともかく、更新作業をしないと。Wordpressはこちらとは違うスピードでして、あちらが早い更新と遅い更新が入り混じっているのです。とういつしたいんですが、ブログ機能で小説を載せているので、大変なんです。作品数が多すぎて。あっちいったりこっちいったりと。どこまで載せるの? みたいな。花屋elfeeLPiaは5話目を更新した感じで。経由地ではもう最新話まで載ってるんですよね。定額マガジンですが。(己のマガジンではない)。こちらの方までnoteにしてたらキリがない。

野球が今日はある。漢検も進む。だけど、眠い。困った。コーヒー飲んだのに。この眠気、ピークを過ぎるとまったく眠くならないんです。この時間と七時頃がやばくて夜が更けるごとに冴えてくると言う。薬が効くといいけれど

血圧計もオムロンで買ってきました。新製品を。コネクトがよくわからないんですが、記録はしてくれるようです。時間帯の設定があるようですが。朝起きて一時間あとと就寝前一時間前、が良い時間らしく、その時間で平均をだすようです。

これはこれで後のお楽しみです。結局一番安いヤツからそこそこ行くヤツに変わったんですが。安いので手首方式がなかった。タニタに統一しようというはずが、これはオムロンでいいや、になってさっさと買ってきちゃいました。

とまぁ、なんでか長々話が進むので、途中で止めます。いつまでたっても終わらない。これが睡眠不足の証拠。睡眠負債抱えてます。

ここまで読んで下さってありがとうございました。

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