【再掲載:ロマンス・ファンタジー小説】絆の騎士知恵の姫 第四話 ミズツチの女賢者と幼女
獣道のような険しい道をこなすと、目の前に古代王国の首都の名残の遺跡群があった。
「ここがミズツチ……」
古代王国の果てを表した遺跡群のずっと先に、遠くからでも光り輝くようなエレシアの聖堂が見えていた。
「あれが、エレシアの聖堂……」
疲れ切った足で遺跡に踏み入ろうとしたフィーネペルルはすぐ脇に幼い少女が立っていることに気づいた。
「どうしたの? こんな所に」
フィーネペルルが優しげに声を掛けると少女は頭を下げた。
「私の名はアヴリルです。本当の主がようやく来られました。ミレア様がお待ちです」
「ミレア? どなたかが私達が来るのを知っていたの?」
はい、とアヴリルが肯く。
「こちらです」
アヴリルが先導するように歩き出した。フィーネペルル達はそれに続いた。
古い家屋がアヴリルが案内した先にあった。そこにミレアという女性がいるらしい。
「こんにちは。フィーネペルルと申します。お待ちなさっているとアヴリルから聞いたのですが」
「お入り下さい」
不思議な女性の声が聞こえてきた。用心してヴァルターがフィーネペルルの前に出る。
「ヴォルト。大丈夫よ」
そのヴァルターを遮ってフィーネペルルがさらに前に出る。
「フィーネ」
「大丈夫」
フィーネペルルがにっこり笑うと前に行かせるしかないヴァルターである。
女王の微笑みだった。
フィーネペルルはさらに奥に入る。いくらか薄暗い廊下の先にはこじんまりした部屋にヴェールをかぶった女性がいた。
「ミレアと申します。この子はアヴリル。あなた様をお待ち申し上げていました。聖なる泉を探されてこられたのですね?」
念を押すようにミレアが言う。ええ、とフィーネペルルは戸惑いながらも肯く。
「この鍵が聖なる泉への鍵。どうぞ、聖なる泉で沐浴なさってください。いずれ、あなた様のための力になるでしょう」
ミレアは白銀の鍵をテーブルの上に置いた。宝石があしらってあるその鍵は輝いて見えた。
「聖なる泉はエレシアの聖堂の中の最奥部にございます。同伴できる方は女性のみです。男性は浸かることはできません。扉の向こうでお待ちください」
「ありがとうございます。お借りします」
フィーネペルルは鍵を持つとそっと胸元で持つ。まるでその鍵が身を守る剣の如く。遺跡群の中を歩く。アヴリルがまたフィーネペルルの隣で歩いていた。
「場所を教えてくれるの?」
アヴリルは首を振る。
「主の側にいたいのです」
「主? 私が?」
「はい」
戸惑って聞くとアヴリルは輝くような笑顔で答える。子供の純真さからでる希望の眼差しはフィーネペルルには眩しかった。
「こちらです」
道を見ないで歩いていたフィーネペルルに道をアヴリルは教える。
そういえば、道を聞いていなかったわ。
脳天気な自分に嫌気が差す。するとアヴリルが手をつかむ。
「主はそのような事を考える必要はありません」
「そうなの?」
謎かけが続いて不思議に思うフィーネペルルだが、エレシアの聖堂にたどり着く。そこだけが守られていたように傷一つ無く建っていた。
この辺までは再掲載になると思います。どこまでやったか定かではないですが。この話も好きなんですよね。恋のから騒ぎという映画の影響です。三部構成。短いながらもですが。戦の話もでるので勉強中。ライン漫画で。結婚商売はかなり参考になりました。あれは面白い。全部読みました。今月に。一気に。今はゆっくり一日一話を数個読んでます。いくつか読むと気にならないので。お気に入りを決めておいてあとからちょくちょく読む。推しのやつが休載になるので入れるのをやめました。気になっているのでしたが。ま。完結したモノを中心に読みます。それでは今日はこの辺で。
ここまで読んでくださってありがとうございました。