【連載小説】ファンタジー恋愛小説:星彩の運命と情熱 第三十一話 心を映す鏡の宮
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前話
リアナはそっと扉に触れた。なめらかな手触りとひんやりとした感覚が伝わる。
それは簡単に開いた。
幾分か、仲間と歩く。手にセイランの温かみを感じる。そして両肩にセレスとシルヴァリアが乗っていた。
ふいに、目の前に自分の姿と言われるあの壁画の少女がいた。
いつ見ても怖い。この少女は無事、癒やしの雨を降らせたのか。自分にできるのか、と。
『その通り。あなたはこの使命を全うできますか?』
まるでグレートマザーのような話し方だが、声はリアナそっくりだった。
改めて自分の中の心を見つめる。色んな事があった。旅の準備に王都まで歩いて行った。そしてはじめてグレートマザーの星にであった。それから南の国へ行って。とにかく色んな事が起こった。いちいちあげるとキリがない。そしてここまで来た。一人ではこなせなかったことも、使命に嫌悪感しか抱けなかったことも、リアナはすべて受け入れていた。そして感謝の気持ちがあった。いつもツンケンしているが、本当の気持ちはそうでなかった。
そして、今。
使命を果たすことを問いかけられている。
できる。みんながいれば。いや、そうでなくとも。みんなの命を守るためにも立ち上がっただろう。フィオナが着いてこなくても。マルコやセイランに出会えなくとも、大事な人を守るために立ち上がっただろう。
だが、自分の持っている力は今は小さい。やはりみんなの力が必要だった。そしてそうしながらも、使命にはまっすぐ向き合うことができていた。 今までは心の準備だった。
「はい。全うします」
リアナの力強い声が壁画の少女に向かった。
パリン、まるで鏡が割れたような音がした。自分が見ていたのは鏡に映った自分だった。だけど、試しているのはグレートマザーだと気配ですぐにわかった。
『奥に進みなさい』
やはり、グレートマザーの声が聞こえてくる。リアナは周りを見た。
みんな、いる。
ほっとして座り込みたくなった。だが、試練はまだあった。
すると次の場面が鏡の宮に映し出された。壁画の予言に戦き、フィオナに八つ当たりして気を失った。謝るだけ謝ってリアナは逃げようとした。死を選びかけた。そこへフィオナの泣き声が聞こえてきた。心停止したのだ。あらためて、その光景を見て、フィオナがどんなに怖い思いをしていたか、表情を見れた。みんな心配していた。セイランは悔しそうに唇をかみしめていた。マルコも表情が暗かった。
みんな、心配してくれていたのね。ありがとう。もういいわ。死を選ぶことはもうない。
使命の中で倒れてしまってもまた戻ってくる。あの時のように。
リアナが死の恐怖を乗り越えるとまた鏡がパリンと割れた。リアナは奥に進む。
そこには未来の自分がいた。少し大人っぽくなっていた。その自分が問いかける。
『どんな未来を望んでいますか?』
やはりグレートマザーのような口ぶりだ。
「私は……。私は。使命を果たした後、セイランと温かい家庭を築いきたいわ。そして未来に生まれるリアナに使命の事を伝えることをしていきたい。私の体験したことを文字で伝えたい。そしてそれにはセイランもフィオナもマルコの協力が必要なの。みんなで平和な世界を、荒廃した今の世界が癒やされてまた生きていけるようにしたい」
『いいでしょう。リアナ、あなたは心の迷宮の試練を達成しました。会うことを許しましょう』
「オリヴィア? グレートマザー?」
扉が開く。溢れてくる眩しい光でリアナは思わず瞼を閉じたのだった。
あとがき
載せながらも校閲してました。原稿とはいくつか違うのでこちらをコピペして確保しようと思います。ここの場面は結構難航するかと思いましたが、すんなり一話で終わりました。一応過去、現在、未来とわかれているのですが、描ききれませんでした。逆に過去とか入れようとすると話がギクシャクするんです。代わりに鏡という概念を入れました。それはすなわちシャドウ。影のこと。もう一人の自分。これもいつものユングさんです。影の騎士真珠の姫にもこんな試練があればよかったのですが。あっちも瀕死でしたし。死と再生って案外私の中のテーマなんです。なぜか一生を掛けて謎解きしなきゃいけないぐらいになってて。ここは個人的すぎるのでおはなしできませんが。とにかく明日の更新時間が取れないかもしれないので前日の日に予約配信します。これだけは使うまいと思っていたのですが。これがあるから課金したくなかったのですが、AIが仕様限度あると知って課金してるんですね。だから有料記事は読まないです。経由地すら買ってませんもの。普通の短編集はフォローしてますが。さて、予約配信してきます。ここまで読んで下さってありがとうございました。