見出し画像

窓の外ばかり眺めていた小学生時代

まだまだ暑い日が続いているが、
なんとなく秋の気配を感じるようになってきた。
そういえば自分が小学生だった頃、
夏休みに家の2階の窓から、
道行く人をよく眺めていた。

真夏なのに、お昼頃になると、
いつも同じ屋台のおでん屋さんが、
鐘を鳴らしながら通って行った。
こんなに暑いのに売れるのかなぁと、
子どもながらに思ったのを覚えている。

元気そうだけど華奢で、
危なっかしくも見える高齢の店主が
屋台を引きながら、
片手で鐘を鳴らしながら歩く様子も、
脳裏に焼き付いている。
「おでん」と書かれたシンプルな赤いのれんも、
店主のゆっくりとした足取りも、
もう何十年も経った今でも時々思い出す。

ちなみに私はおでんが好きではないので、
お小遣いをはたいておでんを買ったとか、
店主のおじさんをおいかけて何か話したとか、
そういう思い出はまったくない。
ただただ、おでん屋さんの日常について、
思いを巡らしていただけだった。
それなのに忘れられないシーンとなっている。

また、夕方頃になると、
当時でいうOL風のお姉さんが
毎日のように家の前を通ったのも覚えている。
その時の担任の先生にどことなく似ていたので、
印象に残ったのだろう。

いつもそのお姉さんのことも確認していたが、
ある日突然通らなくなって、
しばらくしたら、杖をつきながら
ゆっくり歩いて通るようになった。
「けがしちゃったから、最近通らなかったんだ」
と思ったのを覚えている。
仕事に戻れたのだなとは思ったが、
それからずっとその人は
杖をついて歩くようになってしまった。
知らない人とはいえ
毎日のように見ていた健康な人が、
突然障がい者になってしまったことが
ショックだったことを覚えている。

こうして書くと、昼間だけではなく、
夕方も、窓の外ばかり眺めていたみたいね…。
しかもそのけがをしたお姉さんのことを考えると、
夏休みだけではなく、その後もずっと
結構見ていたと思われる。
まあ、今でも眺めのいい窓からは、
結構ぼーっと外を眺めがちだけど…。

エッセイのマガジンはコチラ ↑

最後までお読みくださり,ありがとうございます!
他のエッセイも読んでいただければ,
もっともっと喜びます😊

この記事が参加している募集

応援していただけたら嬉しいです😊 よろしくお願いします❣️