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カサブランカの降る夜に

カサブランカの降る夜に

深緑に紛れて君を追う

夜露と輝く花びらと

一筋の銀色

発光する草原を駆け

遠く稲妻が子守唄


君のいる世界線から

もうすぐ離脱する

絶対に覚えているよと言うのだけれど

目覚めと同時に飛散する

「君」というのは何だ

「世界」ごと消える


カサブランカの降る夜に

再び逢えたとして

僕はまた覚えていられないのだ

白い芳香に酔い踊る

月光に足跡を付けて

花弁に濡れた足を

片方ずつ拭ってあげる

そんなことをしたかな

していないかもしれない

真夜中の虹みたいに

僕はまた君を見失うのだ

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篠原 クロノ
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