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JRAは『分かってない』

こんにちは♪Aliceです。
普段はカメラや写真について、読者の皆様に有益かつ実用的な内容のみ書くように心掛けておりますが、今回はどうしても聞き捨てならない内容なので、筆を取りました。

1.JRAから発表された内容

9/14(土)に、JRAから下記の発表がありました。

JRA公式サイトより

公式発表の全文はこちら↓

簡単に要約すると、JRAの競馬場においてはウイナーズサークル(勝ち馬や騎手・馬主関係者等の表彰などを行うエリア)周辺においては、座り込みNG・荷物を置くこともNGという事です。

この時点で、競馬場の客層に詳しい方やウイナーズサークルに陣取っている知り合いが居る方などは『違和感』を感じた筈です。

『それをやって何か変わるのですか?』
と思ったでしょう。

2.ウイナーズサークル常連の客層とは

大きく分けて2種類だと思います。

①騎手の推し活ガチ勢
②サイン転売ヤー
それぞれについて解説します。

①騎手の推し活ガチ勢

若い人が多いです。
ひたすら『推しのイケメンジョッキー』の勝利を祈り、勝てばウイナーズサークルで長時間(大きなレースでインタビューもあると最大15分位)推しを間近で眺める事ができ、尚且つ推しの写真にサインを入れて貰ったりプレゼントを渡すチャンスもあったりしますので、彼女達にとっては『夢のような時間』となる訳です。

もちろん、1日に何度も推しが勝利する程簡単な世界ではありませんので、勝った時に推しの側に居られるように、開門から(推しの)最終レースまでウイナーズサークルにへばり付きます。

クリストフ・ルメール騎手

この界隈では『地蔵』と言われています。
彼女達の間では『今日は地蔵だから〜』みたいな会話が頻繁に聞かれます。
彼女達の多くは飲まず食わず、お手洗いにも行かず、地蔵します。
朝9時から、推しが最終12レースまで騎乗する場合は16時半頃まで、ずっと地蔵です。

中には、推しの騎手が異なる仲間同士でウイナーズサークルをシェアしているパターンもあります。
『私の推しが勝たなかった時はどうぞ』という事です。

※同じ騎手を推している人同士は、実は仲が悪いケースがあります。
いわゆる『同担拒否』という現象で、同じ推しのあの子にだけは絶対に負けたくない!という心理です。

自分がウイナーズサークルを離れている間に、あの子は推しに会う事が出来た、なんて事は絶対に許されない訳です。
だからウイナーズサークルから離れず、食事も摂らずに地蔵するのです。

横山武史騎手

②サイン転売ヤー

サインだけでなく、競馬場内にあるターフィショップにて数量限定で発売されるぬいぐるみ等のグッズや、入場者に配布されるノベルティ・アプリの抽選で当たるQUOカード等、なんでもフリマアプリに出して売る集団の事です。

彼らは組織的な集団で、日本中の競馬場で開門と同時にウイナーズサークルのサインが貰い易い場所を占拠します。
開門時に先頭集団に居られるよう、何日も前から入場ゲートの前に場所取りしていて、下っ端は『門泊』と言ってゲート前に野宿して並び続けます。
当日の朝になるとベテラン勢が来て、下っ端が野宿等してキープした場所に入るシステムです。

そして、ウイナーズサークルの場所取りを完了した後、再びその場所に立たされて、勝利騎手がサインする迄キープするのも下っ端の役目です。
毎レースサインする訳では無いので、ベテラン勢はサインする時だけ現れて、その勝利騎手の写真をクリアファイルから取り出し大声でサインを強請ります。

※クリアファイルには当日その競馬場で騎乗する騎手の写真がしっかり収まっています。
また、色紙も大量にストックされています。

関西の競馬場では、小さな子供に『サイン下さい!』と叫ばせて騎手を呼び寄せるという、信じがたい光景も良く目にします。

武豊騎手が勝利した時のウイナーズサークルが
中でも最も混沌とします

3.今回のJRAの施策による影響は?

前述の①②の客層に詳しい方は、そもそもJRAの施策の方向性に疑問を抱いたと思います。
また、ここまで読んで下さった皆様も、もうお分かり戴けたかも知れません。

そうです、JRAがウイナーズサークル周辺での
座り込みNG
荷物を置くことNG

にしたところで『①②の常連は変わらない』という事です。

①騎手の推し活ガチ勢の方々は、荷物を下ろす事やレースの合間の短時間でも座る事ができなくなり身体的な負荷が増大しますが、そもそも朝9時から最終レースまで『地蔵』できる程の『推し活』という強力なモチベーションをお持ちのため、その活動を妨げる程の影響は無いと思います。

むしろ、①騎手の推し活ガチ勢は『熱心なファン』ですよね?
ファンとしてJRAに貢献している方々に身体的な負荷を掛ける事になりますが、それについてJRAはどう考えているのでしょうか。

②サイン転売ヤーは、前述の通り組織的な集団です。
よって荷物を下ろす事やレースの合間に座る事ができなくなるのは下っ端だけで、ベテラン勢には何の影響もありません。
快適な屋内などでギャンブルに興じながら、サインが手に入る時だけウイナーズサークルに現れ、転売商材を仕入れるだけです。

今回のJRAの施策など、痛くも痒くもありません。

4.では具体的な解決策は?

あくまで個人的な提案です。
『ウイナーズサークルでのファンサービスを廃止すること』
これが最も効果があるのではないかと思います。

そもそも排除すべきは②サイン転売ヤーであって、『ほぼ原価ゼロ』で騎手などのサインを手に入れられる(入場料100円〜や交通費・写真プリント代くらい)環境が彼らにとってぼろ儲けなので、競馬場内で騎手ファンサービスが無くなれば、②サイン転売ヤーは他所へと矛先を変更する筈です。

※騎手は金曜の夜から日曜の最後の騎乗が終わるまで、外部との連絡・接触が禁止です。
日曜の最終レース後ならともかく、そうでない時にウイナーズサークルでファンサービスをする事自体が、公正な競馬開催に反していませんか?
口取りが終わったら、いち早くジョッキールームに戻り、次のレースに集中すべきかと個人的に思います。

※グッズの転売は残ると思いますが、それはディズニー等と同じ状況なので、ここでは論議しません。

それでは①騎手の推し活ガチ勢が気の毒では?と思う方も多いと思いますが、騎手や調教師が参加するパーティなどは1年中数多く開催されており、その場ではサインどころか会話してツーショット写真も撮れたりします。

某クラブのパーティにて
錚々たるメンバー!

推し活において、パーティの参加費など全く気にしないと思いますが、②サイン転売ヤーにとっては原価が高騰し、利益が減るためパーティまでは行かないと思われます。

よって、①騎手の推し活ガチ勢は今まで通りウイナーズサークルで推しの応援に集中できるようにして、競馬場内でのファンサービスを廃止する事で②サイン転売ヤーを排除する、というのが私の提案です。

5.最後に一言

JRAはファンを大切にすべきだと思います。
北海道から九州まで、年中毎週のように競馬場に通って馬や騎手などを応援するガチ勢こそが、最も競馬界を持続させ盛り上げて行く客層ではないでしょうか。

若い客層やファミリーを取り込みたいなら、より一層競馬場をクリーンでドラマティックな場所に変えていくべきだと、個人的に思います。

コロナ禍の無観客開催でも、馬券の売り上げが増大し続けた事で、競馬場に足を運ぶ(馬券はあまり買わない)客層へのリスペクトが薄まった事は間違いないと思います。

その落とし穴から抜け出せず、今回のような熱心な競馬ファンを蔑ろにするような施策に出たJRAは『分かっていない』と思います。

目を覚まして欲しいです。

※蛇足ながら、サインでも盗品でも何でも売れるフリマアプリこそが諸悪の根源だと思います。
フリマアプリが無ければ、世間を騒がせた様々な問題が発生していなかった筈です。

今回も最後までお読み頂き、ありがとうございました。
また次の記事でお会いできますように。


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