いつも居てくれる人(4)| ボクシングのトレーナー
いつも居てくれる人について書いています。今回は、ボクシングのトレーナーについてです。フィリピンと日本で、運動が超苦手なわたしの救世主さんたちです。
ボクシングを始めたきっかけ
わたしはとてもおとなしいです。でも、ときどきぷっつりきれることがありました。米国に滞在していたときに、セラピストから、怒りを表現するのが苦手と指摘されました。身体を動かすのはよいかも、とボクシングを勧められました。
でも、ボクシングを見たこともないし、長らくバレエを習ってきたこともあり、ピンと来ませんでした。そのまま忘れてしまっていたのですが、数年後、第二の故郷であるフィリピンで、ふとしたことで、ボクシングを始めることに。
「フィリピンらしい運動がしたい」と気まぐれで言ったところ、友人たちが(わたしはにぶいので)バスケは無理だよね、でも、ボクシングはいいかも、とジムに連れてってくれたのです。なんかノリだけで、入会してしまいました。
ボクシング・トレーナー(フィリピン)
入ったジムには、わたしのような素人もいれば、ガチ勢もいました。トレーナー(コーチと呼ばれています)は、もちろんガチ勢です。多くの場合、貧しい階層の出身でジムに住み込みながら練習し、試合にでるような人たちです。
初日、その頃、あまり運動していなかったわたしに、いきなりガチなメニュー。リングのないジムでミット打ち! サーキット・トレーニング。コーチ、ニコニコして優しいのに、やることエグい。フラフラになり、気つけ薬をかがされました。
あれから6年。出張でフィリピンに滞在するたびに、同じジムに通っています。いまでは、ミット打ちの最中に、セブアノ語、タガログ語、英語など何語で指示が飛んできてもだいたいパンチを返せます。ガチなコーチの皆さんのおかげです。
ボクシング・トレーナー(日本)
いまは日本ベースなので、週1回のペースで、地元のボクシングクラブに通っています。とってもきれいでさわやかな広いスペース、リングもあります。トレーナーは、現役選手というよりもトレーニング・プロがほとんどです。
トレーナーはみなさんニコニコして優しく、わたしのようなヘナヘナちゃんには励ましモードで褒めながら上手に指導してくれます。やたらにミット打ちするわけではなく、バランスのよい練習メニュー。シャドーから筋トレ、ウォーキングまで。
5年くらい通っており、そのあいだ、わたしのメンタルが上がったり下がったり(精神疾患があります)することがあって、休んだり、行けてもゆるーくしか動けなかったりすることもあったのですが、やさしく付き合ってくれます。
むすびに
わたしは運動が超苦手なことにくわえ、摂食障害(現在は寛解)、ASD+ADHD、PTSD+複雑性PTSDがあり、精神科にも長年通っているのですが、ボクシングを続けられている、それも楽しく! というのは、なぜか。
ひとつは、トレーナーがいつも見守ってくれて、引っ張ってくれてきたこと。1対1なので、ノイズが少なく、わたしにとってわかりやく、コミュニケーションの苦手を感じないですみます。練習量の調整もしやすいです。
もうひとつは、好きなときに行けること。フィリピンのジムも日本のジムも営業時間中なら予約なしにドロップインできるので、裁量労働制で働いているわたしとしては都合がつきやすく、助かっています。具合悪いときは、さくっと休みます。
いずれにしても、トレーナーさんたちの教え方や人柄がわたしにとっては安心できるもので、ひとことでいえば「こわくない」から続けられていると思います。体育の成績2でも格闘技楽しめるんだ、とびっくり。
ジャブも井上尚弥もしらなかったのに、ボクシングする人生とはありがたし。