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「その日」がやって来る〜別れはいつもさみしくて〜リーリーとシンシンの旅立ち

上野動物園からリーリーとシンシンがいなくなる。

さみしい。

私は、上野動物園にもアドベンチャーワールドにも足を運んだことがない。生のパンダを1度も見たことがない。ネット上で情報を追いかけるだけの、ファン歴もわずか3年ほどの、ただのパンダ好きにすぎない。

そんな私でも。

シャンシャンの時も。アドベンチャーワールドの永明さんと桜ちゃん、桃ちゃんの美人姉妹が旅立った時も。もちろんタンタンさんとのお別れの時も。当たり前に存在していたいつもの場所に、そこに彼らがいないことが悲しくて、さみしくて。涙が出た。

彼らにとって、穏やかに健やかに過ごせる場所がそこにあるのであれば。もちろんそれが一番よい道で。一番近くでお世話をしてくれている人たちが、何よりもそれを考えてくれているはずなのだから。

「できればどこにも行かないでほしい」と思ってしまうのは、私たちのエゴだ。悲しいけれど。たいていの場合、どんな動物でもいつかお別れすることが運命であることも真実だ。

それでも……。「さみしい」と思う気持ちはどうしようもない。涙が出るのもとめられない。

その感情は、漢字の「寂しい」や「淋しい」ではピンとこなくて。発音的にも「さびしい」ではなく、ひらがなの「さみしい」

パンダに限らず、動物に限らず、誰かとさよならをした後、旅立った方より残された方がずっとさみしい。それはたぶん、他には何も変わっていないのに。そこに、その人だけが。その子だけがいないから。 

心にぽっかり穴が空く。

2024年9月29日。上野からリーリーとシンシンがいなくなる。あまりにも突然のお知らせで。心の準備ができないまま。あっという間にその日がやって来る。 

さみしい。

もうずっとずっと長い間、彼らを見守り、大切に思ってきた人たちにしてみれば。「さみしい」なんて言葉では足りないに決まっているけれど……。


赤ちゃんの時から(遠くからだけど)ずっと成長を見守ってきたシャオレイちゃんの旅立ちの時、私は最上級の「さみしい」 を味わうのだろう。 

必ずその日はやってくる。もうとっくに、カウントダウンも始まっている。


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