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ようやく見つけた「趣味」の話

自己紹介のためのプロフィールには、よく「趣味や特技」「好きな色」や「好きな食べ物」を書く欄がある。

これが私にとっては鬼門だった。「好きな色」「好きな食べ物」と言われても私には思い浮かぶモノがない。  

色に関して言えばその時々でブルー系が好きなこともあれば、気分によっては赤や黄色が気に入っていることもある。パステルピンクやミントグリーンのような淡い色も好きだし。好きな色なんてとうてい選ぶことができない。

好きな食べ物も同じことで、そこまで「これ」と言ったこだわりのある食べ物もなければ、マイブームもその時々で変わっていくので、「好きな食べ物は何?」と聞かれても答えようがない。

仕方がないので、好きな色や好きな食べ物はその都度その時の気分で適当に答えることになる。

さらに、現役時代の私には「趣味」と言えるものすらなかった。

これまた仕方がないので「読書」「音楽鑑賞」といった無難な答えでお茶を濁していた。

子供の頃は確かによく本を読んでいた。小学生の頃から難しい小説だってバンバン読んでいたが、年とともに本を読まなくなった。読む本の内容も中学時代をピークにどんどん易しいもの、簡単なものにシフトしていった。 

活字中毒ではあるので、仕事関係の書類や本を中心に、何かしらの文章を常に読んではいた。読んではいたが、今年は何か新しい小説を読んだかな? というくらいの読書量で、とてもじゃないけど趣味なんて名乗れるレベルではなかった。

退職後、近くの図書館に通うようになった。本を読む時間はたっぷりできたので、本当はたくさん本を買いたいところであるが、当然これは節約のためである。

私はもともと中古のモノが苦手で、不特定多数の人が読んでいる図書館の本なんて絶対にムリと思っていたのだが。収入ZEROの身ではそんなことを言っている場合ではない。

最近の図書館はネットを使った予約システムが充実しているので、とても便利で助かっている。気がついたらあっという間に今までに借りた本の数が100冊を越えていた。これだけ読めば趣味と言ってもバチは当たらないだろう。

他にも退職後ピアノのレッスンを始めた。ピアノは子供の頃に習ってはいたのだが。いや、正確には無理矢理習わされていたのだが。全く好きになれず、上手くもならず、ソナチネあたりでフェードアウトしていた。

今回ピアノを習い始めた主な目的はボケ防止。脳トレである。それでも、1曲でいい。自信を持って弾ける曲ができる日を夢見て、毎日短時間ではあるが練習をがんばっている。

あちこちにアンテナを張って、気に入った演劇を観たりコンサートに行ったりもしている。非日常の空間で過ごす時間は楽しいけれど、お金がかかるのが難点である。 

最近は、ZOO活も始めた。どこの動物園でもそうなのかもしれないが、年パスは申し訳ないほど安い。かわいい動物たちに癒され、園内を歩くことで健康にもなり一石二鳥である。

漢字ナンプレにもハマっている。もともとジグソーパズルをやっていたのだが、ジグソーパズルは案外お金がかかる。その点漢字ナンプレは安い雑誌がたくさん出ていてお得感がある。難しい問題になればなるほど、ジグソーパズルのピースがハマっていくあの感覚、気持ちよさを味わうことができる。

こうしてヒマに任せて色々と趣味は増えたのだが、残念ながら未だに胸を張って「特技」と言えるものはない。

ピアノのことは、また別の機会に詳しくお話したいと思っているが。とにかく上達しない。最初の頃に比べれば少しはマシになっているのかもしれないが、まさしく牛歩。牛の歩みである。

人一倍不器用で芸術的なセンスにも運動神経にも恵まれなかったせいで、ピアノだけでなく何をやっても上手にできない。まず「人並み」にできることがほとんどないわけで。特技以前の問題だといえる。

まあ、今は「趣味」と言えるモノが複数できただけで満足しておこう。好きなことがたくさんある生活は、それだけで楽しいものだから。

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