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私はどのように言語・言語学を学んだか 2024年版

2024年に勉強した言語や言語学の学習に使った書籍やアプリを共有します。
この記事で紹介するのはラテン語、エスペラント語、英語史、言語学、哲学の学習コンテンツです。

なぜ言語(学)を学んでいるのか

世界の真理を知るというのは人類の究極目標の1つだと思っています。そのためには哲学を含めた様々な手段があります。学生・大学院生の時には宇宙の真理を知るために天文学を選考していました。現在は言語から真理へ辿り着くアプローチに興味があります。

ラテン語

書籍と語学アプリで勉強しました。特にラテン語で書かれたラテン語の教科書300ページ強を1年間で一冊やり切ったのは我ながら頑張ったと思います。中学卒業程度の英語レベルにはなったはず。

  • Lingua Latina: Pars I: Familia Romana: ラテン語で書かれたラテン語の教科書。教科書として非常によくできていて物語も面白い最高の教科書の1つです。本文を写経して練習問題を解きました。副読本として販売されている単語帳文法書も一緒に買うのをオススメします。今は問題集(Exercitia Latina I)をやっています。

  • しっかり学ぶ 初級ラテン語: 日本語で書かれたラテン語の入門書でおそらく一番分かりやすい書籍。文法の参考書として使いました。特に教科書に書かれている文法用語の細かいニュアンスが分かりにくいときに日本語で把握するのに役に立ちます。

  • Oxford Latin Dictionary: ラテン語-英語の辞書。あまり使ってないかも。初学者は辞書を買わなくて良いです。格変化を完全に理解しないと紙の辞書は使うのが難しいので。

  • Scriba: ラテン語の辞書アプリ。単語の格変化が分からないときに使います。変化系のままで検索できるのが良いです。

  • Claude: ラテン語は直接関係ないけどすごく使える LLM サービス。単語や文章全体を翻訳したり自分専用の練習問題を作らせると効率よく学習できます。特に文章内の各単語の意味だけではなくて格変化も説明してくれるのは勉強になります。

  • Cattus: ラテン語の文法を勉強するアプリ。格変化を身につけるのに使いました。満点が取れるまで何度もやりました。

  • Perdisco: ラテン語の単語や文法を勉強するアプリ。コンテンツは悪くないのですが、演出やUIがイマイチで使わなくなりました。

  • Duolingo: 様々な言語の単語や文法を勉強するアプリ。ゲーム性が良くて楽しい。たまにありえない例文が出てくるのが気になる。完全制覇しました。ラテン語のコンテンツが少ないのが残念。

エスペラント語

アプリで勉強したのみで一切書籍は買っていません。基本的な単語と現在形と過去形の文法はある程度できるようになりました。

  • Duolingo: ラテン語学習でも使ったアプリ。1年間弱これだけ。

英語史

英語そのものではなくて英語史を勉強しました。英語の歴史とか他の言語とのつながりとかを知ることで現代英語がなぜ今の形になっているのかを深く理解できます。

  • はじめての英語史: 日本語で書かれた非専門家向けの英語史の書籍。たとえば、なぜ英語では三人称単数現在形(三単現)の末尾にだけ「s」がつくのかなどの具体例からどのように現在の英語が作られたかが分かりやすく書かれています。

  • A History of the English Language: 英語の歴史について書かれた教科書。古代英語から現代英語まで詳しく書かれています。特に Old English や Middle English の格変化が学べたり他の言語と英語のつながりが具体的に知れるのが面白い。

言語学

言語を使えるようになること自体よりもどのように言語が作られたのかどうして現状の言語になったのかに興味があります。言語学の専門家になりたいわけではないので言語学を本格的に勉強しているわけではありません。

  • ことばの意味を計算するしくみ: 計算言語学から記号論理学、最終的に Transformer などの自然言語処理までつながる書籍。言語を処理するとは何かを情報学のアプローチで学べます。

  • 記号創発ロボティクス: 言語という概念を獲得するとはどういうことかについて書かれた書籍。ロボティクスの本ではありません。ロボットの言語学習を通じて言語とは何かを再認識できます。

  • 言語学はいかにして自然科学たりうるか: 著者の言語学の講義をまとめたもの書籍。語用論、関連性理論、認知言語学について書かれています。書籍自体は新しいのに文体が古くて読みにくかったのが残念でした。

  • パズルで解く世界の言語(言語学オリンピックへの招待): 誰でも知ってるメジャーな言語から聞いたこともないようなマイナーな言語まで世界の言語のパズルが載ってる書籍。その言語を全く知らなくても解けるように問題が構成されています。難関レベルの問題は簡単そうに見えて解くのに時間がかかるのですが、頑張って解けたときに言語を理解できた感じがして楽しい。

  • ヘテロギニアリンギスティコ -異種族言語学入門-: 魔族の言語を実地研究する人間を主人公にした漫画。ここでいう言語とは文字に限らず振る舞いや匂い、色などで意思疎通を図ること。

哲学

言語学に関係ある書籍だけ紹介します。自分なりに世界の真理を追求するのが人生の目標。

  • 語源から哲学がわかる事典: 古典ギリシア語やラテン語などの語源から哲学の用語や概念をまとめた書籍。難解に見える哲学用語の本来の意味をその語源や平易な英単語から考え直すという手法で哲学の概念を説明しているところが面白い。

まとめ

言語や言語学の学習方法を共有しました。基本的に独学なので書籍やアプリの紹介ページみたいになってます。一部の書籍は日本国内で購入できなかったので海外から輸入しました。ラテン語を3年間ほど学んだ後に古典ギリシア語を学ぶ予定です。

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