聖地へ|出雲大社
いづものおおやしろ
縁結びの神様として有名。
神無月には日本中の神様が集合するという。
みんな大好き出雲大社への旅行記です。
神楽殿は日本最大級のしめ縄で約13メートル、約5トンもあるそうです。
2礼4拍手1礼と違いがあり、国譲りの物語など、伊勢系の神社とは異なる系統、異なる歴史があったのだろうことを想像させてくれます。
1. かつての巨大本殿
古くは杵築大社や杵築明神、出雲社とも呼ばれ、明治になって出雲大社の名称となったそうです。
🔳現在の社殿は高さ24m(8丈)あります。
江戸時代、将軍吉宗の頃の延享元(1744)年に遷宮御造営されたものです。それ以降は平成まで4度の御遷宮御修造、つまりしっかりしたメンテナンスが行われて来たのです。
🔳古事記には国譲りの条件として大きな宮殿を建てたとあり、本居宣長は『玉勝間』で、太古には32丈(96m)、中古は16丈、今は8丈と説明しています。
🔳平安時代初期の天禄元(970)年に源為憲が書いた『口遊』(くちずさみ)に当時の建物ベスト3として「雲太、和二、京三」(うんた、わに、きょうさん)とあります。
雲太は出雲の社のことを指し、和二は大和の大仏殿、京三は太極殿です。つまり、当時の東大寺大仏殿の高さ45mよりも高い16丈(48m)であったといわれ、出雲大社は日本一の大きさだったというのです。
🔳出雲の宮司家には『金輪御造営指図』という3本の丸太を金輪で締めた巨大柱の絵図が残されています。
🔳古い記録には、地震でも無いのに社が転倒したという古い記録が残っているそうです。
🔳平成12(2000)年、御遷宮御修造の調査で、社殿付近の地中の遺跡より巨大な3本の丸太を組んだ鎌倉時代の巨大柱のが発見されました。
これにより16丈(48m)の巨大建築の信憑性が大きく高まりました。
🔳大林組プロジェクトによる高さ16丈の建築検証が行われました。
その1/10の推定復元模型は、出雲大社に隣接する島根県立古代出雲歴史博物館に展示されています。
2. 大国主大神(おおくにぬしのおおかみ)
出雲大社の御祭神は、たくさんの異名を持っています。
そのうちいくつかを並べてみます。
大穴牟遅神(おおなむちのかみ)
八千矛神(やちほこのかみ)
葦原醜男(あしはらしこお)
大物主神(おおものぬしのかみ)
大國魂大神(おおくにたまのおおかみ)
幽冥主宰大神(かくしごとしろしめすおおかみ)
顕国玉神(うつくしくにたまのかみ)
杵築大神(きづきのおおかみ)
…他にも仏教の影響から大黒天(だいこくてん)もあります。
若い頃に因幡の白兎の物語や、国造りを成し、その後国を譲り、譲った後幽冥界の主になったり、現世(顕国)に戻り称されたり、多くの神話から様々な呼び名を持つようになりました。
もしかすると実は元は別々の神様のことや出来事だったのかもしれません。
大国主大神は素戔嗚尊(すさのおのみこと)の子孫とされています。御本殿後方、八雲山の麓にあたる素鵞社(そがのやしろ)の御祭神は素戔嗚尊となっています。出雲大社の御祭神は平安時代頃から長らく素戔嗚尊であったのですが、江戸時代以降は神仏習合の流れから大国主大神に戻りました。
いずれにしても、神社では参拝のときに仏教やキリスト教のように偶像を拝んだり、具体的なイメージを想像することはありません。そのあたりはまたの機会に考察したいと思います。
大国主大神の息子建御名方神(たけみなかたのかみ)は武甕槌大神(たけみかづちのおおかみ)に降参したのち、信州諏訪へ落ち着き、諏訪大社の主祭神となっています。
物語として続いているのが面白いと思います。
3. (よくある)おすすめコース
よくあるおすすめコースは次の2つが有名です。
1)稲佐の浜の砂を素鵞社で交換し、厄除けに持ち帰る。
2) 御本殿を神様の正面である西側からお参りする
以上が絶対定番ですが、マイおすすめは次の3つです
4.マイおすすめ場所は次の3つ
おすすめ
その1、島根県立古代歴史博物館
その2、禁足地八雲山の岩肌に触れる
その3、命主社(いのちぬしのやしろ)
🔳その1、島根県立古代歴史博物館
お詣り前に予習をすると参拝の意味が深みが増します。
館内には出雲大社の成り立ち、巨大神殿の復元模型、宇豆柱(うづばしら)や、大量に出土した銅鐸や銅剣などの青銅器を見学することが出来ます。
大和王権とは異なる出雲の文化があったことを、国譲りの物語と絡めていろいろな想像が拡がります。
高さ48mの推定復元模型の他に、江戸期の御造営以前の朱塗りの社殿などいくつかの推定模型が並んでいて比較することが出来ます。
朱塗り社殿の頃は仏教寺院の色が強かったようですが、むしろ現在の古式なイメージの方がしっくりきます。
🔳おすすめその2、禁足地八雲山の岩肌
素鵞社(そがのやしろ)裏手も岩肌は、禁足地である八雲山に唯一触れることが出来る場所として有名です。
社殿成立以前は八雲山そのものが御神体であったのでしょう。
🔳おすすめその3、命主社(いのちぬしのやしろ)
境内から少し外側になります。
神皇産霊神(かみむすびのかみ)を祀ります。
巨木や磐座から神秘的で畏れ多い雰囲気を感じます。
結びに
縁結びや神無月(出雲では神有月)で知られる出雲大社
見所が多いので時間に余裕を持って訪れたい場所です。
(増補)
⚫︎出雲そば
参拝の仕上げ頂きました。
落ち着きます。
⚫︎出雲大社前駅
一畑電車大社線の駅です。
写真は随分前のものです。
当時のいい感じに侘び寂びていたのも好きでした。
その後リニューアルされ、タクシー後方部分はカフェになり、その後イベントスペースになっていました。
最新はどのように活用されているのか、また見に行きたいと思います。