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『未来への10カウント』...終わっちゃいましたね

ここ数年、連ドラなんて殆ど見てなかった。

なのに、『未来への10カウント』だけは全話ちゃんと見ました。


なぜあのドラマに惹かれたのかと言うと…

いまの自分とダブるから。

【あらすじ】
本作で木村拓哉が演じるのは、ボクシングで高校4冠に輝いた過去を持つ桐沢祥吾。順調なボクシング人生を歩んでいた彼でしたが、大学2年の試合中、ある理由で試合続行を断念します。

その後、妻を亡くすなどの不運に見舞われた彼は、「いつ死んでもいい」と自暴自棄な生活を送っていました。しかし40代後半になったある日、高校時代の親友から母校のボクシング部でコーチをしないかとの提案を受けます。

その提案を承諾した祥吾は、生徒たちを変えるとともに、自身とも向き合い未来を切り開いていくことになるのです。

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キムタク演じる主人公の桐沢の栄光と挫折。

大学時代に網膜剝離が原因で選手生命を絶たれ、最愛の妻との死別、亡き妻が愛した焼き鳥店をコロナ禍で閉店せざるを得なくなる…

いつしか、「いつ死んでもいい」と口に出して言うまでになった桐沢。

俺は四流大卒で入社した会社の周囲には高学歴の奴らが一杯いて、反骨精神だけで実績を重ねて、一目置かれる存在までになり、会社を挙げて関わっていく大きなプロジェクトのメンバーにも選ばれ、あと一歩で昇進が見えてきたところで自律神経失調症を患って、戦線離脱。

それがきっかけで、30代を棒に振り、何やっても上手く行かない、生きる望みなんて無くして、『ただ、無駄に生かされているだけ…』と本気で思っていた。

ドラマでは桐沢が嫌々始めたボクシング部のコーチをすることにより、生徒を始め、色んな人々と関わっていくようになり、それぞれの人が抱えた苦悩に対して、不器用な桐沢なりに解決に導いていく…

俺もそうだった。
いつの間にか出来るだけ人とは関わらないようにと生きて来た。
友人と思っていた奴の裏切りや、身内のゴタゴタに巻き込まれ、”人”が嫌いになった。

桐沢は劇中生徒たちに

「最初っからあきらめてんじゃねーよ」

「自分で! 勝手に限界作るな!」

と鼓舞するシーンがあります。

これって、桐沢自身が自分のも言い聞かせた言葉なのかなと…


俺も同じようなことがあったんです。

一昨年、同時期に入社した新卒の社員がコロナに感染しました。
まだ、ワクチンも出回っていない時期で、グループ企業で未だ感染者は少なかった時期。当然彼は仕事から外され、雑用をさせられる日々が続き、偶々俺が話を聞くことになりました。

彼は散々愚痴をこぼして、1日も早く仕事に復帰したいと泣きながら訴えてきました。
それが無理なら辞めると…

「お前が言いたいことは分かるよ。コロナに感染したのも運が悪かったかもしれない。でもさ、いまもし辞めて他の会社に転職してもお前が感染したことがバレたらまた同じやん?それにその会社が今と同じ環境を与えてくれるかどうかも分からない。それに、それがもし発覚したら即クビかもしれない。
お前はこの資格を取って、将来はこうなりたいって夢があったからうちの会社に入ったんやろ?
正直、みんなが言うようにまだまだお前の勉強不足なところは否めない。
それは仕方がないことで、これから経験を積んで行ったらいい訳で、いまはそこに向かうにはどうしたらいいか考えてみろ。
本を読んで勉強をするのもいいし、社内の誰か先輩を捕まえて実技を教えて貰うのもいいだろう。
逆に言うと通常の仕事が始まったらそんな時間取れないやん?こんな充電時間普通は無いぞ。
いまは我慢の時や、いつまでもこんなことが続くわけないし、誰にも先のことは分からないけど、それに備える時間と考えろ!
いつか、俺が本来の仕事でお前にお願いするから!」

と、言った直後は彼もまだ、頭から悔しさしか残って不貞腐れていたが、少し経ってから俺に

「雑用でも何でも言って下さい!何でもしますから!僕に仕事をください!」

と電話を掛けて来た。

正直、彼は指示系統が違うから迷ったけど、上司に説明をして暫く俺のサブ的な仕事をして貰っていた。
言わばそれも雑用。
でも、彼は文句言わずに一所懸命に取り組んでいた。

彼は去年の後半から徐々に通常業務に復帰して、去年の秋頃ようやく俺の仕事の依頼を彼に託して、無事契約となった。

契約が決まった後に

「やっと、約束果たせたわ。ありがとう。」

と言ったら

「○○さんが言ってくれたお陰です。感謝するのは僕の方です。」

と言ってくれた。

「1年前に辞めなくてよかったやろ?(笑)」

「そ、そうですね(照)。次も頑張りますから、また仕事ください!」

と言っていた。


俺は俺で、腐った自分に言うように彼に言葉を掛けていた。


このドラマでも終盤、桐沢が

「この歳になって、お前たちに教えられたことがある」

というシーンがあるんだが、何度もここに書いてるように、今の会社に入って20代の若い世代に俺は忘れていた真摯に仕事に向き合う姿勢やひたむきに努力することを恥ずかしながら改めて教えて貰った。

桐沢の設定年齢も同年代だし、腐っていた自分も、取り巻く若い世代たちと関わって教わって生き方を変えていくというストーリーも今の俺の境遇に似ている。

俺の場合、この先ドラマのようにハッピーエンドが待っているかどうかは分からんけど、桐沢が言ったように俺も…

『今が楽しいんだよ』




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