
知識の灯台 古代における占星術
こんばんは、アレクサンドリアです。
先日、アレクサンドリアという名前が、エジプトのアレクサンドリア図書館に由来があることを書きました。
アレクサンドリアという土地自体が私にとって発展や幸運のある場所なのが分かったので、そこについて調べることは、より恩恵を受けることに繋がります。
そうしたこともありますが、かねてから歴史に名を残すこの図書館のことを調べてみたかったので、関連文献を借りて読んでいます。
まずは、こちらを読んでいます。
「知識の灯台:古代アレクサンドリア図書館の物語」 デレク・フラワー著
この本自体が2003年発行で、著者は幼少期をエジプトで過ごし、多言語教育を受けた方です。1990年に、新アレクサンドリア図書館が建設されるとのニュースを知り、古代アレクサンドリアの全てを知りたいと、膨大な資料からこの本を書いています。
アレクサンドロス大王をはじめ、幾何学者、医学者、詩人、天文学者など、様々な天才たちについて描かれています。
私がその中でもとりわけ印象深かったのは、やはりアレクサンドリア図書館と占星術との関わりについて書かれた章でした。
以下、その章についての重要文章の引用です。
✤ ✤ ✤
ーようやく我々の物語は(紀元)前二世紀中葉にさしかかっているー アレクサンドリアの文化の表舞台に、占星術が天文学に対抗して登場してくる。
ほぼ四千年前のバビロニアの初期時代に、すでに星の観測が始められ、人間の運命に及ぼす星の影響の研究が半ば宗教に近い確固たる地歩を築き上げていた。
古代エジプトにおいても、神官が天文観測によって未来の出来事を予測しようとしたし、前四世紀のギリシアでも、さほど信頼はされなかったにしても、エウドクソクなどは占星術への親近感を吐露している。
さらに二世紀後のプトレマイオス朝のアレクサンドリアにおいて、数学的な天文学と神官たちの伝承知識とが遭遇したときに、占星術はようやく学問として受け入れられることとなる。
天文学から派生した占星術は自然学の落とし子である錬金術とともに、地中海世界と西欧文化に長い時代にわたり、大きな影響を及ぼした。
ここから、占星術の発展に寄与した人物が数人、挙げられています。
例えば、ある人物が誕生した時点に天球に上昇する星座の位置を算出する幾何学的方法を発見したのは、数学者であり天文学者であったヒュプシクレスでした。黄道帯の最初を白羊宮と呼んだのも彼です。
他にも、「ヘルメス文書」が現れたのもこの時代です。
また、人の星座と身体の間には深い繋がりがあるという「占星術的医療」や、星座と植物の間にも結びつきがあるという「占星術的植物」という考え方によって、当時の治療に従来の医薬品と肩を並べて植物が実用されました。
こうして占星術が医療法に入り込んだことも、アレクサンドリア文化の重要な位置を占めるようになります。
また、物質世界と天体との間の「共感」という概念を援用して創り出した疑似科学を、人々は「錬金術」と呼ぶようになったということですが、それに寄与した人物にボロスがいます。
ボロスの著書「自然の薬剤と人工の薬剤」で主張されているのは、自然界における共感と反感、ある種の有機物に含まれているエネルギー、それらの間の敵対や親和の関係の理論である。
その大部分は小宇宙と大宇宙の共感というストア派の哲学思想と、テオフラトスの植物学の著作や地方に伝わる動物にまつわる奇譚(きたん)などの引用から成る。
彼が後代の人々に及ぼした影響は計り知れず、その後の時代を通じて、錬金術という神秘的概念の主要な先導者の一人であり続けました。
それから200年後の紀元140年に、最も偉大なアレクサンドリアの天文学者であるプトレマイオス・クラウディオスが「テトラビブロス」を著しました。
そこには例えば、下記のような言葉が記されています。
・エジプト人は、占星術によって医術と予知能力を統合した。
・占星術は高貴な知識の体系である。
テトラビブロスでは、古代メソポタミア、エジプト、ギリシアの占星術のいろいろな記号について、意味内容を定め解釈を与えて実用の便宜を図り、諸規則を決定しています。
事実、それらの規則は今日でもそのままの形で受け継がれています。
今から4000年以上も前から天体観測が行われ、西暦140年には今の占星術の記号などの規則が出来上がっていたというわけです。そこから様々な占星術に発展していって、現在の占星術があるわけですが、基本はもうこの時代に出来上がっていたというわけですね。
そのような伝統的で、かつ革新的な学問に、どの時代の人々も魅了されるのがとてもよく分かります。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
#note #占星学 #占星術 #西洋占星学 #西洋占星術
#知識の灯台 #デレク・フラワー #アレクサンドリア
#アレクサンドリア図書館 #ヒュプシクレス #ボロス
#プトレマイオス #テトラビブロス #本 #読書感想文
いいなと思ったら応援しよう!
