高血圧の食事療法

高血圧は塩分制限などの食事療法で、薬が不要になることが多々あります。また、塩分制限のほかにも高血圧に対する食事療法がありますので説明します。

☆ 塩分制限についての工夫
  まずは塩分が何にどの程度含まれているか知りましょう。
  大体の目安ですが、普通の方なら1日男性で7.5g未満、女性で6.5g未満を目指しましょう。高血圧症や心不全のある方は6g未満を目標に。
  食品名            塩分量
  味噌汁(1杯)         1.5 g
  梅干し(1つ)         2.2 g
  うどん(スープを含む)     5.5 g
  しょうゆラーメン(スープを含む)7.3 g
  インスタントラーメン        6g
  寿司10貫             3.7g
  ミートスパゲッティ         3.6g
  カレーライス          3.3g
  食パン6枚切り           0.8g
  たくわん2切れ(20g)        0.9g
  白菜キムチ(30g)         0.7g
  塩鮭(80g)            1.4g
  あじの開き(1尾)            1.4 g
 
さらに減塩していく工夫ですが、
  ①    醤油やソースはかけずにつける
     調味料      10g当たりの塩分量
      醤油       2.12 g
      オイスターソース  1.14 g
      中濃ソース     0.58 g
      ぽん酢       0.58 g
      ケチャップ    0.31 g
 こうみると、味付けするならソースよりケチャップの方が減塩できます。

  ②    香辛料や香味野菜をうまく活用する
  ③    うまみ素材を使う
  ④    麺類のスープは残す
   ラーメンやうどんの汁を残すと、2~3g程度減塩できます。
  ⑤    減塩食品や減塩調味料を活用する
  ⑥    練り製品や加工肉食品は控える
    食品名      100g当たりの塩分量
     生ハム     5.6g
     ボンレスハム  2.8g
     蒸しかまぼこ  2.5g
     ちくわ     2.3g
     さつま揚げ   1.9g

☆ カリウムを多く摂取する
カリウムには体内に取り込まれたナトリウム(食塩は塩化ナトリウムといって、体内では、ナトリウム濃度に直結します。)の排泄を促す作用があります。1日3000mgを目標に取り入れましょう。

  食品名    100g当たりのカリウム量(参考値)
  アボカド       720mg
  ほうれん草           690mg
  こまつな               500 mg
  サツマイモ            480mg(ゆでると436mg)
  しめじ                   380mg(ゆでると296mg)
  バナナ      360 mg
  ブロッコリー   360mg
  トマト      210mg
冷凍野菜は、生野菜と異なり細胞壁がこわれていて、細胞内のカリウムが漏出されやすい状態なのでその分カリウム摂取が多く期待できます。

以上、高血圧症に対する食事療法(減塩とカリウム摂取)について説明しました。参考にして食事をどう組み合わせていくか考えてみてください。
当クリニックでは高血圧症の患者さんには定期的に塩分摂取量を尿検査で測定するようにしています。(もちろん腎機能や前日の食事の影響、利尿剤などの影響はあります)気になる方は受診時にお伝えください。

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