花相の読書紀行№48『菩薩花 羽州ぼろ鳶組』
年に一度の、火消番付
【菩薩花 羽州ぼろ鳶組】/今村翔吾
<あらすじ>
番付のためか―。火消番付への関心は高く、お家の評判にも繋がる。その噂が人々の口に上りだす頃、ぼろ鳶組松永源吾は、無謀にも他の火消から手柄を奪おうと闘う仁正寺藩火消柊与市の姿を目にする。そんな折、火消による付け火を疑う読売書きが姿を消し…。真相を追う源吾らの前に現れたのは、火難の遺児を救い育て、「菩薩」と崇められる定火消進藤内記だった。
★感想
今井翔吾さんの羽州ぼろ鳶組シリーズの第5弾。
時代劇も火消の物語は、今井翔吾さんが最高と思っています。ミステリーとしても申し分なく楽しめるストーリーは、火事の壮絶な戦いとの取り合わせによって、面白さが倍増します。
江戸町民の楽しみに年に一度の番付に火消もあるます。しかも人気の火消したちに付けられる二つ名も興味津々、実にカッコイイ!今回はこの番付が一つのキーワード。
諦めの悪い馬鹿な男たちには、やはり賢く胆の座った女が似合う。その代表が源吾の妻“深雪”。そのキャラクターは、益々魅力的になってます。
そんな深雪に普段はやられっぱなしの頼りない頭取並の新之助、今回は絶体絶命の状況に・・・ハラハラしながら文字を読むスピードも上がります。
そして源吾のもとに新たに仲間が誕生します。益々面白くなるぼろ鳶シリーズです。
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