花相の読書紀行No.41『ペッパーズ・ゴースト』
にゃんこの必殺仕置人、ネコジゴハンター
【ペッパーズ・ゴースト】/伊坂幸太郎
<あらすじ>
中学国語教師の檀のは、ある条件下で他人の明日が少しだけ観える特殊能力があった。彼は生徒から、奇妙なコンビが暴れ回る小説原稿を渡される。小説内の二人組「ネコジゴハンター」とは一体何なのか。父の言葉、悲観と楽観、猫と野球…、未来と過去は絡まり、物語は加速していく。
伊坂作品の魅力が惜しげもなくすべて詰めこまれた、作家生活20年超の集大成。この伊坂作品を待っていた!
★感想
“とにかく面白い”の一言が、初めに来てしまうくらい小説の楽しさ満載のストーリーでした。
主人公が少し小心者のパッとしない中学教師という設定も、“何ウジウジと悩んじゃってんの、もっとしっかりせい!!”っと、叱咤激励しながら読んでいる自分が可笑しい。関わる登場人物たちも実に個性があって魅力的で、物語を盛り立ててくれています。
超能力にハードボイルドが加わって、そこが小説の中なのか現実なのか?判然としない不思議な世界の中で、ミステリのあっと思わせる展開も上手くって、一気読み間違いなしです。