花相の読書紀行№46『鬼煙管 羽州ぼろ鳶組』
鬼平、最後の捕り物
【鬼煙管 羽州ぼろ鳶組】/今村翔吾
<あらすじ>
「人も同じ、身分は違えども煙草の銘柄ほどのもの」煙管の吸い口を見つめ、平蔵は人の儚き生を思い、正義と悪との境を憂えていた――。京都西町奉行・長谷川平蔵は、火を用いた奇っ怪な連続殺人を止めるため、最も頼りにする江戸の火消、松永源吾を京に呼ぶ。源吾は平蔵の息子・銕三郎と真相に迫るが、やがて銕三郎が暴走し――。勇壮な男たちが京の街を駆け抜ける!
★感想
今井翔吾さんの羽州ぼろ鳶組シリーズの第4弾。
舞台を京に移し、今回は“源吾”、“星十郎”、“武蔵”の三人が元火付盗賊改方の“長谷川平蔵”と息子“銕三郎”ともに面妖な連続殺人事件に挑むお話しです。
事件解決に奔走する中で、源吾と平蔵の強い絆、武蔵の心魅かれる女性との出逢い、正義と悪の狭間で苦しむ人々との葛藤に触れると、今は死語となりつつある人情の大切さを改めて思い起こさせます。
いつもじ~んと来るシーンに涙滲むことも有るのですが、今回はボロボロ泣いてしまいました。
男たちの心意気と正義にも燃える魂、壮絶な生き方に触れたら泣くしかないです。
そして終章がまたまた素晴らしいです。
今回も素敵なお話を有難うございました。