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花相の読書紀行No.31『偽りの春』
極上ミステリ短編集
【偽りの春】/降田 天
<あらすじ>
あなたは5回、必ずだまされる。第71回日本推理作家協会賞受賞作!
高齢者詐欺グループのリーダー、光代は、手足として使っていたはずの仲間に金を持ち逃げされてしまう。さらに、彼女の過去の犯罪をネタに、一千万円を要求する脅迫状が届く。追い詰められた彼女は、普段は考えない強引な方法で事態の打開を図るが、成功したと思われたそのとき、1人の警察官が彼女に声を掛けてくる――。「落としの狩野」と言われた刑事を主人公に、人々の一筋縄ではいかない情念を描く、日本推理作家協会賞受賞作「偽りの春」収録、心を震わすミステリ短編集。
★感想
降田天さんの作品を今回初めて読みました。
犯人の心理描写、その犯罪者を落としてゆく駐在所の警官との心理戦にワクワクしたり、時には「ほぉ~」と感心したり、「おっと、そう来るか」とミステリを堪能できる短編たちです。
どの編も、狩野が犯罪を暴いていく過程で、どんでん返しを用意している、ミステリはこうでなくっちゃ楽しくないね!
コンビを組んでいる月岡警察官も、寡黙なハンサム(と、勝手に思っている)さんで素敵!!
最後の編「サロメの遺言」にいたっては、思わず自分の両腕でポーズをとってしまいました。
さて・・・どんなポーズかは、読んでのお楽しみ。(^_-)-☆
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