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花相の読書紀行№44『九紋龍 羽州ぼろ鳶組』

羽州ぼろ鳶組シリーズ3

【九紋龍 羽州ぼろ鳶組】/今井翔吾
<あらすじ>
火事を起こし、その隙に皆殺しの押し込みを働く盗賊千羽一家が江戸に入った。その報を受け、新庄藩火消通称“ぼろ鳶”組頭・松永源吾は火付けを止めるべく奔走する。だが藩主の親戚・戸沢正親が現れ、火消の削減を宣言。一方現場では九頭の龍を躰に刻み、町火消最強と恐れられる「に組」頭“九紋龍”が乱入、大混乱に陥っていた。絶対的な危機に、ぼろ鳶組の命運は!?啓文堂書店時代小説文庫大賞第1位シリーズ続刊。

★感想
今井翔吾さんの羽州ぼろ鳶組シリーズの第3弾。
江戸の町の花形、火消の中でも激貧の新正藩定火消の活躍を描いた物語は、ミステリー仕立てのスリリングでパワフルなストーリーです。ページを捲った時から心は江戸時代へ入り込み、ノンストップでラストまで行ってしまいます。
シリーズ最初の『火喰鳥』『夜哭烏』と2冊読んで、この世界に夢中になってしまいました。
安政の世の江戸時代、いまだに残る戦は火との闘い、そこに生きる侍火消頭領“松永源吾”の物語は、魅力に満ちた登場人物とともに描かれています。
涙あり笑いありの痛快活劇小説、今回は火付け盗賊の千羽一家が登場し、町火消に組の頭“九紋龍の辰一”の過去が明かされる。いつもながら火事との戦いに心躍りながら楽しく読み終えました。
中でも最後の章「勘定小町参る」は、お気に入りの章になりました。源吾の妻“深雪”の才が活躍する章は思わず笑い声が出たほどです。
このシリーズ、是非一読を。

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