見出し画像

梅酢シロップを作りましょう! 夏バテ予防にもなります

梅のお仕事のひとつ。
猛暑を乗り切るための、梅酢シロップを作っていきます。
すでに、梅の時期が終わっていましたら、来年の参考に、是非、ご覧下さい。

******************

材料は、 ①完熟梅
     ②氷砂糖
     ③醸造酢    の、3つだけ。

上記材料を果実酒瓶に入れて、漬け込み、氷砂糖が溶けたらできあがり。
とても、シンプルです。

梅の状態、気温によっても変わりますが、だいたい3週間~4週間(約1ヶ月程)で、仕上がるので、その後は、お好みの量の水、炭酸水などで希釈して飲んで頂けます。
甘酸っぱいシロップなので、ヨーグルトや、かき氷などにかけても良いですよ。

梅酢シロップ

材料の醸造酢を、日本酒(梅酒用)、焼酎に置き換えて作ると、
梅酒、梅焼酎にもなります。

漬け込んだ梅の実は、そのまま食べても良いですし、お料理にも使えます。
最後に、説明しますね。

漬け込んだ梅の実を使って


それでは、作っていきましょう!

******************

梅酢シロップ
( Sciroppo di aceto di Ume )

【材料】

材料

     梅(完熟)      1kg
      氷砂糖       1kg
      醸造酢(千鳥酢)  500ml

※ 基本の割合は、梅:氷砂糖:醸造酢 = 1:1: 0.5

※ シロップなので、甘めの仕上がりになります。
  希釈する時に、お好みで、醸造酢を追加しても良いですし、
  梅酢シロップ作りに慣れてきたら、仕込む時点で、
  お好みで割合を変えても良いです。


【事前準備】

1)梅の実について

完熟・南高梅

梅の実は、大粒のほうがベター。
黄色くなり、よく熟しているほうが、風味、エキスが、よく出ます。

入手する時期によっては、完熟していない場合もあります。
やや青い状態のときは、梅の実を、ボールなどに取り出し、一晩、室温に置いておきましょう。
翌日、黄色みが強くなり、ふわ~っと、梅のよい香りがしてきます。
いわゆる、追熟(ついじゅく)です。
それから、作業すると良いでしょう。


2)醸造酒について

千鳥酢

今回は、京都の千鳥酢を使います。
強い酸っぱさがなく、まろやかな旨みと香りがある千鳥酢は、
京都だけでなく、関西の食のシーンで重宝されています。

私も、この千鳥酢にハマってしまったひとり。
青菜の酢の物も、この千鳥酢と薄口醤油だけで、美味しく仕上げる事ができます。
機会があれば、是非、一度、試して頂きたい京酢です。

もちろん、お家で使われている醸造酢でも、大丈夫。
美味しく仕上がります。


3)果実酒瓶について

果実酒瓶(3L容量)

材料の総重量よりも、1.2~1.5倍容量の果実酒瓶を用意しましょう。
きれいに水洗いをして、しっかりと水分を拭き取ります。
この時、雑菌が入り込まないように、きれいな布巾(キッチンペーパー等)で、拭き取り作業をしましょう。
最後に、食器用アルコールで、拭き上げても良いですね。


【作り方】

1)梅の準備をする

① 梅の実は、流水で、やさしく丁寧に、ひとつずつ水洗いをして、
  ザルに上げる。
  10~20分程置き、乾かした後、乾いたきれいな布巾で、
  残っている水分を、優しく丁寧に拭き取る。

水洗い後、ザルにあげて、乾かす
乾いたきれいな布巾で、残った水分を、しっかりと拭き取る

ここで、水分が残っていると、カビが生える原因となります
しっかりと、拭き取りましょう。


② 竹串(爪楊枝でも可)で、
  梅の実に残っているヘタ(ホシとも言います)を取る。

ヘタ(ホシ)を取り除く

ヘタ(ホシ)が残っていると、
そこから雑菌が繁殖し、カビを生じてしまう場合があります。
必ず、取り除きましょう。
この時に、梅に傷をつけないように気を付けます。


2)果実酒瓶に入れる

① 事前に準備した果実酒瓶の底に、氷砂糖(1/4量程)を入れる。
  梅の実(1/3~1/4量程)を、重ならないように並べる。
  再び、氷砂糖(1/4量程)を加え、梅の実(1/3~1/4量程)
  重ならないように並べと、交互に重ねていく。
  全ての梅の実、氷砂糖を瓶の中に入れる。

果実酒瓶の底に、氷砂糖(1/4量程)を入れる
梅の実(1/3~1/4量程)を、重ならないように並べる
再び、氷砂糖(1/4量程)を加え、梅の実(1/3~1/4量程)を重ならないように並べる
これを繰り返し、全ての梅の実、氷砂糖を瓶の中に入れる


② 醸造酢を加えて、しっかりと蓋をする。

醸造酢を加えて、蓋をする


3)漬け込む

ここから、漬け込みスタートです。
最初は、梅の実の半分程しか、水分(醸造酢)に浸かっていません。
(写真 ①)

漬け込みスタート
梅の実の半分程、水分(醸造酢)が浸かっている状態(写真 ①)

ここが、ポイント!

水分(醸造酢)に浸かっていない梅の実の部分、空気に触れている部分は、
色が悪くなり、梅の実そのものが悪くなる場合があります。

梅のエキスが上がってくるまでの2~3日の間は、放ったらかしにせず、
梅の実全体に、水分が触れるように、行き渡らせるように、
時々、果実酒瓶を斜めに倒して、ゴロゴロと動かしましょう。(写真 ②)

梅の実全体に、水分に触れさせるために、行き渡らせるために、
時々、果実酒瓶を斜めに倒して、ゴロゴロと動かす
(写真 ②)

梅のエキスが上がってきて、全て梅の実が浸かれば、動かす作業は終わり。
今回は、3日目で、全ての梅の実が、水分(醸造酢、梅エキス)に
浸かりました。(写真 ③)

漬け込んで、3日目
全ての梅の実が、水分(醸造酢、梅エキス)に浸かった状態(写真 ③)


この状態で、氷砂糖が溶けるまで、静置します。
気候によっても変わりますが、だいたい3週間前後で溶けて、飲んで頂けます。

******************

その経過を、見ていきましょう。

☆ 漬け込みから、2週間後
   まだ、氷砂糖が、瓶の底に残っています。
   もう少し、静置します。

漬け込みスタートして、2週間後


☆漬け込みから、3週間後
   
氷砂糖が、すべて溶けたので、出来上がり。
   涼しいところで保存しながら、飲んでいきましょう。

出来上がり


4)飲み方

梅酢シロップの仕上がり具合は、毎年、微妙に違います。
飲む人によっても、好みが変わるので、その時々で、希釈して飲みましょう。

希釈した、梅シロップ水
~ 漬け込んだ梅の実も浮かべて ~


梅の味わいが強くでた年は、希釈水の量を少し増やしたり、酸味が強いほうが好きな人や、よく汗をかいた後などには、希釈する時、酢を少し追加したり、
様々です。
この違い、変化も、毎年の楽しみに、是非、味わって頂きたいです。

お住まいの地域によっては、もう、梅が終わってしまっていると思います。
是非、来年の完熟梅が出回った時に、作ってみて下さいね。

******************

☆漬けた梅の実は…

漬け込んだ梅の実

そのまま食べても良いですし、果肉を刻んで、お料理に使うことも出来ます。

刻んだ果肉に、梅酢シロップを少し加えて、冷や奴のトッピングに。
豚肉の生姜焼きのタレに、梅果肉を加えて、調理しても美味しいですよ。

冷や奴にかけて
梅の果肉入り・豚肉の生姜焼き


是非、梅の実も楽しんで、食べきって頂きたいです。

【追記】
同時期に仕込んだ、南高梅の梅干しも、先週、赤紫蘇を加え、あとは天日干しを待つのみです。


いいなと思ったら応援しよう!

食の工房オフィスアルベロ【イタリア料理教室 in 神戸】
お読み頂き、ありがとうございます。 サポート頂ければ、心強いです。