【中学受験と娘、そして消えゆくアフリカゾウ】
先日は娘とアフリカゾウの密猟について、話合いました。
結論:ゾウの絶滅は止められない
牙: アフリカゾウの「密猟組織」を追ってを読んで解説してみました。
アフリカゾウの90%はすでに消滅
アフリカゾウの密猟は3万頭/年行われていると言われ、すでに90%が死亡、現在も年10%の割合で密猟が行われていると言われています。
1940年代に500万頭いたゾウは、2010年代には50万頭に激減、2大密猟地域と言われるタンザニアでは60%、モザンビークでは48%のゾウが5年で消滅しています。
この密猟はテクノロジーの進化とも関連しており、旅行者のSNSでゾウがいる情報を得るとドローンや衛星の位置情報え群れを割り出し、マシンガンでの射殺、水飲み場に毒、また毒矢で殺すなどの手法で密猟が行われます。
また、牙を取るときには、死後硬直が始まるとチェーンソーでも歯が通らないゾウの固い皮膚のために、生きたまま顔ごと切り取られます。
私「写真みとく?」
娘「やめろ!」
私「逃げてちゃダメじゃん、現実みないと」
娘「パパだけ、現実見ればいいじゃん!もう一回言う、止めろ」
なぜ、密漁で絶滅するのか?
密猟はゾウの牙、象牙を取るのが目的。
このため牙の大きなゾウから狙われます。牙が大きいこと、つまりは成熟しているとゆうことで、ゾウの繁殖適齢期である40~50歳のゾウが該当します。つまり、繁殖できないってこと。次に狙われるのが、メトリアーチと言われる大きな牙を持つメスゾウのリーダー。メトリアーチは、安全な水飲み場やエサ場を知っていますが、知恵が伝承される前にリーダーが死亡すると、安全策を知らない群れは全滅します。
このため、アフリカゾウの70%は雌になりました。
娘「ふーん」
あれ、フランスで獣医になるのに興味なし?
象牙の密猟の原因は日本と中国
象牙は主に日本と中国に輸出されています。日本では当然印鑑での使用も多いそうです。
1984年だけで、日本には474トンの象牙が輸出されており、これは野生のゾウの50%、72万頭分に当たります。
これに反発した西欧諸国が1989年にワシントン条約で研究目的以外は禁止にしますが、なぜか日本は諦めません。
1997年にボツワナ、ナミビア、ジンバブエ、2009年にはこれに南アフリカを加えて、自然死したゾウの象牙を日本と中国が輸入できるようにします。
貴重な象牙。これが、中国での象牙人気に爆発的な火をつけます。
しかし、経済も爆発的に伸びた中国は、成熟した国家へと歩みを進めます。
それまでは国家ぐるみで象牙の密輸をしていたとされる中国(関係者からの警告を受けながらも、密輸組織の内情を追っていく顛末は、本に詳しく書いてあります)は、2016年象牙売買の市場を完全閉鎖を宣言、象牙の値段は1/3に激減します。
あり得ない日本
しかし、日本はあり得ない行動にでます。
ワシントン条約の1989年より以前に輸入された象牙に関しては、自由売買は継続だとし、2016年中国とは真逆の「象牙売買完全禁止に反対」を表明します。
この理由について、「日本は密輸を認めていない。だから、日本に新しいも象牙は入ってこないので、市場閉鎖の対象外である」と世界に向けて主張しつづけるのです。
なぜか、世界に逆行し始めるのです。
中国におけるサイの角やトラの骨の問題はあるにせよ、中国はやると言ったらやります。それも、すぐに、徹底的に。上海と深圳暮らしが長かった妹からよく聞かされていました。
私「中国はまわりから、どう思われる?」
娘「偉いと思われるんじゃない?」
私「じゃあ、日本は?」
娘「・・・・・」
妻「なんか、〇〇〇もあったよね?」
私「化石燃料発電所の輸出とかもね」
まだ、経済大国だと認識してくれている国が多いうちに率先して世界を守るリーダー的な存在になるのは、非常に有利なことです。
しかし、世界と逆行しているのでは?
個人で出来る活動には限界がある。でもやっている人たちはいます。
密猟は需要がある限りはなくならず、現にゾウの密猟はなくなっていません。
象牙の需要は、どこにあるのでしょうか?
私「ドキュサイン、株価232ドルなんですけど?」
娘「印鑑って、象牙の必要ないじゃん」
世界から見られている立場、行動を娘には考えて欲しい。だから、下の娘が小さいうちに、まだ野生のゾウがいる間にアフリカに行きたいんだよ。
ウマに乗って、野生動物と走りたいんだよと話した時、娘はすでに寝てました。
参考文献
写真はナショナルジオグラフィック