画像生成AIと一緒に過ごした約一年を振り返る 3 NovelAI(2022/10)
この記事では、2022/7から2023/10にかけて筆者が画像生成AIとどのように関わってきたかを実際の生成画像や一般的なニュースを交えながら振り返っていきます。今回はNovelAIが公開されてからの話をします。
前回の記事はこちら。
NovelAIの登場
2022年10月、NovelAIの画像生成機能がリリースされた。NovalAIはもともとシナリオを生成するサービスだったが、新たに画像生成機能が追加され、もっぱら画像生成機能が話題になった。
私の知る限り、それまでの日本語圏では、画像生成AIは将来的にプロのイラストレーターの仕事を代替しうるものであり、将来的に自慰行為に使えるイラストを生成してくれるようになりうるものであり、将来的にアイコンなどを描いてくれるようになりうるものだとみなされていた。つまり、現時点ではそうした用途には「まだ」使えないと思われていた。NovelAI(の画像生成機能)の登場によってそうした時代が終わった。
NovelAIのリリース初日から翌日にかけて生成したメカ少女の絵をpixivに投稿したところ、多くの閲覧者に見てもらう事ができ、先行者利益を得た。メカ少女の絵はそれ以前から生成、投稿していたものの、これをきっかけに重点的に投稿するようになる。
NovelAIは当時の主観としてはすごかったし、多くの人がすごいという評価を下していた。ただ、従来の画像生成AIと比べてどこがどの程度すごかったのか、正直なところあまりよくわからない。
従来の画像生成AIで全身のイラストを描こうとすると顔が破綻しがちだったし、手を描こうとするとほぼ確実に破綻した。NovelAIだとそうではなくなったが、破綻する時は普通に破綻した。
従来のAIだと整った顔のイラストを生成しようとした場合、大量に生成した上で運に頼らなければならなかったが、NovelAIだとかなり安定して整った顔のイラストを生成できるようになった。ただ、これはどこまでがモデルデータなどの性能によるもので、どこからが他の環境でも再現可能なプロンプトエンジニアリング技術(Negative Promptにworst qualityを入れるなど)によるものなのかよくわからない。
逆にNovelAIに対する否定的な評価として「画一的な絵しか生成できないからつまらない」というものがあったが、これもある程度正しくてある程度間違っていると思う。まず、プロンプトで画風を指定することである程度色々な画風の絵を生成することができる。
このように、NovelAIの画風はある程度調整する事ができた。
それでも、当時のStableDiffusionやWaifuDiffusionと比べると生成できうる造形や画風の幅がずっと狭かった。これは良く言えば高品質なイラストを安定して生成できるという事なので、WaifuDiffusionと比べて歩留まりが良く、ほとんどの場合において優秀なモデルだという事を意味している。
とはいえ、NovelAIが生成したイラストよりも、WaifuDiffusionが生成したイラストの中で極端に上振れしたもののほうが魅力的な気がする。そういう意味ではNovelAIが「画一的な絵しか生成できないからつまらない」という評価は間違っていないと思う。
RoboDiffusion、破綻イラストなど
そんなわけで、pixivで高い評価を得たにも関わらずあんまりNovelAIに食指が伸びず、StableDiffusionの色々なモデルを触ったりしていた。例えばRoboDiffusionやHentaiDiffusionなどだ。
StableDiffusionの公開からこの記事で触れているぐらいまでの期間は、私が本当に画像生成に熱中していたし、まだユーザーが少なかった。なので相対的な技量の高さやpv数などで比べるとこの時期(10月中旬ごろ)がAIイラストレーターとしての私のピークだったかもしれない。とにかくこの頃は楽しかったが、まだ他のクリエイター交流するための環境が整っていなかった。
次の記事はこちら。これ以降の体験はあまり希少価値がないものが多いので、ややあっさり目に書きました。
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