はじめてのオーディション
こちらのサイト『note』に自分の楽曲を展示した初日。1つ、【gender】さんからスキの評価を頂きました。
猫は意外と、良い人悪い人を憶えているものなのです。
「スキを貰った実力をみせてやる」
私はフリクルというマネージャー代行サービスのようなサイトに登録し、
オーディションに参加する決心をした。
その際、プロフィールとして何を書き込んだかは、いづれまた話す機会があるかもしれない。あるいは無いかもしれないが。
総毛立つ恐怖を感じながら、私は空欄を埋めていく。
個人情報と言っても、ガチガチに運転免許証相当のものを追求してくる構えで迎えられた印象はない。むしろ、緩いと感じたくらいでした。
恐いと感じたのは、自分の力を信じきれないところから来ているのかもしれない。
私は音楽ファイルをアップロードするところで一旦手続きを中断し、
一日ほど曲の手直しをすることにした。
猫は気が小さいの……、仕方ない。
頑張った結果、自分の感覚的には幾分音が綺麗になった部分があり、また思ったよりも音が小さくて気になる残念な部分もあった。
iPhoneで作ったものをmp3という実用のファイル形式に変換すると、音が変わってしまうというのはある。
また、音を再生する機器の違いも、当然誰もが思いつくところ。
多分、自分だけが不利というわけではないので、「もう、しょうがない」と思って私はそれを提出した。
音楽を舐めてるとか思われるかもしれないけれど、この辺りで手応えを得たいのです。
私と感性が響き合う音楽家が存在していて欲しいという願い。
この先に待つのが骨の折れるお付き合いとかだったら、双方にとって不幸なんじゃないかな。
「音楽は殴り合いだ」とする良識ならば、ちゃんとアニメを見て学んでいる。
バンドグループ内が荒れて喧嘩を始めるのとは少し意味が違い、自分らしい表現やテンポを貫き通すためならば、相手をエゴイスト上等な自分に従わせるという発想。
互いの音楽性を認め合う親しい男女でさえ、共演するとプライドがぶつかり合うわけです。病弱美少女も草食系メガネ男子も、そうした剛腕でもって味方をねじ伏せようとします。
それにしたって、独特の感性を持つこと自体、喧嘩を売ってることになるのか⏤⏤と、思いを巡らせ切ない気持ちになる。
言われてみれば、確かに歌手のために自分が伴奏製作者に仕立て上げられる
といった状況は、全く面白くないと思う。
その上、変な歌詞まで付く。アニメにもいい曲は沢山あるけれど、文学的には可笑しなことになっているものばかり目立つね。楽曲が本当の輝きを失って可哀そうだよ。
私らしいそれらの理屈が正しいなら、すぐに音楽ファイルを提出しても良かった。一体何のための手直しだったのかと、自分でも呆れてしまうが、音楽に向き合う時間を増やすことは決して悪いことじゃないはず。
それにしてもですよ。奇妙なプロフィールとアーティスト名だけが、すでに届けられているのだとしたら! 肝心の物は無く、一日も待たされているのだとしたら……。フリクル運営の方々はどんな気持ちだろうかと、心苦しい思いでした。
いや、でも多分大丈夫。彼らを忙しくする人間が他にいると思うから。むしろ、そう思わない方が失礼ですよね。
無事に作品を渡した手続きの終わりに、ツイッターでこの件をツイートする事を勧められた。ツイート⏤⏤それはつぶやくように、ごく短い文を投稿することなのです。
そうすることで(フリクル社内)優先度が上がり、より早く関係各所に作品を見てもらえることになりそうではあった。
もちろん、ツイッターのアカウントなど無い。確か『バカ発見器』『バカッター』とかいった酷い言われようを目撃したような気もするが、背に腹は代えられない。バカの仲間入りをする覚悟で、私はこちらでも手続きを踏んでいった。
ツイッターはnoteとの連携も良かったはず、と何となくそんな気がした。マイアカウントへ集客アップのためにはむしろ賢い方向に進んでいるという、希望の光が射し込んでいた。
でも、上手くいかなかった。登録しようとしたケータイに認証のためのSMSが飛んで来ない。私は24時間後の出直しを求められ、立ち去ることを余儀なくされた。
言いたいことはあるが、これについて多くを語るのはやめておこう。小利口な考察を挙げて、大事なところを見落とすなんてことがある。
つい「馬鹿馬鹿しいのはお前だよ!」とか、礼儀正しい当サイトの住人は言わないだろうけど、間違いに自分が気付いてしまったら、きっと程なく傷ついてしまうんだ。
だから、この話はここまで。以上、音楽の方で何かいい匂いがしてきたので、尻尾を上げて近づいて行った一連の出来事でした。