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5月10日 正しく恐れることの大切さ

5月10日ですね。

今回のフクシマへの旅の中で、印象に残った事はたくさんあります。
今回は、正しく恐れることの大切さについて考えてみました。


実際に津波に襲われた地域を自転車で訪れました。今は広大な更地になっていました。
津波に襲われた直後の写真を見ると、あたりに瓦礫が散らばり.埋もれた状態です。今とは全く違います。


実際にその地に立ってみて思う事はたくさんありました。まだ残されている家屋などを訪れてみると、一階部分が津波に襲われた状況がまざまざと確認できました。


訪れた資料館や震災遺構では、津波に襲われた体験談もたくさん読みました。

津波警報が出ているにも関わらず、津波なんか来ないと津波を軽視して家にいた人々がことごとく津波に飲まれていった無惨な様子などが書かれています。

津波の恐ろしさは理解していたつもりでしたが、実際に現地に立ってみると、津波なんて来ないと思っていた人々の気持ちも理解できます。

福島第一原子力発電所では、津波に襲われる数年前にも堤防の高さを増強する検討をしたにも関わらず、想定外の津波なんか来ないという意見によって、堤防の嵩上げ作業は取り止められました。


そして、そうした未来の災厄を軽んじた楽観的な意見はことごとく津波の猛威の前に悔い改めることとなりました。


浪江町立請戸小学校跡地に訪れました。そこには、津波の威力の強烈さがまだ残されています。

それとともに、地震発生後すぐに先生方が生徒を引き連れて近くの山へと避難し、全員が無事だったケースが時系列で紹介されていました。

津波を軽視せず、正しく恐れて避難したことで、助かった命。


昨日も当欄で電力が失われた状況について触れました。

今、首都圏では東南海地震、首都圏直下型地震、富士山噴火となどのリスクが積み重なっています。

多分、首都圏に住んでいる方のうち、九割くらいの方は、頭の中ではなんとなくそうした悪い予測を知識としては知っているはずです。
ただ、昔から数えきれないほど言われ続けた割に、そうした災厄が一向に来ないことで麻痺してしまっています。
もしくは、万が一地震や噴火がきてもどうにかなると思っているのでしょう。

実は私もまだそう思っています。

が、福島の被災地を訪れてみて、その考えではどうしようもない出来事は起こるのだ、ということを感じました。


今はありがたいことに、動画サイトで津波の様子が多く記録されています。私も何度となく見返しました。
あれば紛れもない事実です。
巨大な水の恐ろしさを前にのんびりと歩いている人々のいかに多いことか。そうした人々の運命は、ご想像の通りです。


とにかく、備えるしかない。準備するしかない。

それをしなかったことによるツケの巨大な虚しさを見てしまったあとは、ともすれば軽んじようとする弱い心を鞭打つしかありません。

犠牲になった方々の死を無駄にしないためにも。

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Yoshikazu Nagai(長井 祥和)
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