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6月20日 コミュニティで宣伝効果を求めることについて

6月20日ですね。

昨日、kintoneエバンジェリストの活動報告会がありました。
そこで私も自らの半年の活動を振り返って報告しました。

また、昨日の日中には、とある方のXのポストに対して、某コミュニティの内輪が少しざわつきました。


それらの出来事が問うているのは、kintoneコミュニティの活動で、どこまで自社や個人の宣伝やアピールが許されるのか、という問題です。


昨日の二つの出来事をきっかけに、私も考えてみました。

結論を言えば、
・ユーザー側でない限り、コミュニティの活動は必ずビジネスの利益に還元される。
・五〜十年単位の利益を目指すなら、コミュニティの登壇は理念と競合しない。
・単年〜二、三年の利益を目指すなら自社でビジネスセミナーを催す。

まず最初から説明します。

kintoneビジネスに従事する方がkintoneコミュニティに登壇することで、自社のビジネスの利益にならないようにすることは不可能です。

弊社の場合、お客様に伺ってのシステム企画、育成、構築がメインです。いわゆるサブスクリプション型のサービスは展開していません。
それでも、私が登壇することで認知度は向上し、システム企画、育成、構築案件の引き合いにつながります。

もうこれは避けようがないです。


そもそも弊社も企業である以上、売上は必要です。人件費を支払わなければなりません。

弊社はkintoneを使ったシステム構築を主な生業にしています。ただし、仕事のほとんどはパートナーネットワークや他の営業チャンネルからやってきます。
なので、コミュニティーやコミュニティーで知り合った方からの引き合いはほぼありません。
それでも、上に書いた通り、登壇によって私や弊社の認知度が上がっていることは確かです。


その一方で、弊社はkintoneを主戦場としています。kintoneは、サイボウズ社を中心に、ベンダーやSIerや開発者、ユーザーなどが1つの生態系、つまりkintoneエコシステムを形成しています。
kintoneエコシステムの中で、ユーザーによる活動や有志の会、つまりコミュニティの果たす役割は大きいと思っています。

そうである以上、kintoneエコシステムのコミュニティに関する部分が壊れると、kintoneエコシステムの全体も壊れます。すると、弊社の存続に関わります。
だからこそ、kintoneエコシステムを壊さないためにも、kintone Caféが掲げる特定のサービスの宣伝は認めない理念に共感します。
なぜなら、押し売り感がユーザーコミュニティに生じた途端、ユーザーは離れるからです。さらには、コミュニティに対してだけでなく、kintoneからも離れるでしょう。
それはkintoneエコシステムの崩壊に繋がりかねません。だから、私としてはそうならないために配慮しています。


私がkintone Caféなどで自社の宣伝やサービスをことさらに宣伝する事はほぼしません。最近では登壇さえせず、運営に回るケースも増やしています。
コミュニティが案件につながった事例も、上に書いたとおりほぼありません。
多分それは、経営者としては落第なのでしょう。が、私は今後もそれでいいと思っています。
なぜなら、kintoneエコシステムが健全に成長する事は、結局回り回って弊社の利益につながるからです。それこそ、10年20年の単位で。

最初の「ユーザー側でない限り、コミュニティの活動は必ずビジネスの利益に還元される。」とは、そういう意味です。


次の「五〜十年単位の利益を目指すなら、コミュニティの登壇はバッティングしない。」もそうです。ここでは仮に五〜十年と書きましたが、期間の長短は問わず、要するにコミュニティから短期的な利益を目指さないことです。

ですが、上にも書いた通り、kintoneエコシステムが健全に成長する事は、結果として回り回って弊社の認知度にもつながります。また、お客様がそもそも選択肢にkintoneを加えてくれる可能性が高まれば、やがては案件にもつながるでしょう。
それによって五〜十年後に弊社に案件が増えるのは結果としてアリだと思います。
実際、弊社の場合、最初にkintoneに関わってからkintone案件が引きも切らない状況になるまでは10年近くをかけてます。

つまり、エコシステムの成長を間接的に長期的に自社の利益の目的に加えても許されるのではないかと考えています。
私たちが登壇する時、そういう効果も期待しています。

10年の期間は、さすがにかかりすぎでしょうし、きちんとビジネス目線で手を打っていれば、もっと私も早く独立してきたのでしょう。
これは単に私の経営者としての能力の不足の問題です。コミュニティーの問題ではありませんし、むしろ、コミュニティーを短期的に利用せずにいたことで、kintoneエコシステムを壊さず、今の引き合いの多さにつながっています。


ただ、関接的に、あるいは長期的に売上を待ってられない会社もあるでしょう。会社である以上、売り上げが必要な気持ちは同じ経営者としてよくわかります。
ただ、直接、短期的に案件が欲しいから、kintone Café等で宣伝したい会社様は、残念ながらkintone Caféの理念には合わないと思います。
最初から参加されないか、おとなしく一参加者として参加されることをお勧めします。
または、ビジネスの宣伝を許容するコミュニティに参加されるか。

もし、kintoneビジネスで短期的に直接の利益を得たいのであれば、コミュニティーを偽装せず、堂々とビジネスセミナーとして名乗りをあげ、自社で開催すれば良いと思います。
実際、そういうセミナーを開催されている会社はたくさんありますよね。

「単年〜二、三年の利益を目指すなら自社でビジネスセミナーを催す。」はまさにそういう意味です。


要は、コミュニティーの皮をかぶってビジネスセミナーをやろうとすると角が立つということです。

おかげさまでkintoneを新規で扱おうという会社様がここに来てたくさん増えておられます。
それは良いことだと思いますが、そうした会社様にはきちんとユーザー有志のコミュニティーの意図を伝え、短期的直接的な利益を得ようとする行為を慎んでもらうようにお願いするのが大切かと思います。

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Yoshikazu Nagai(長井 祥和)
ありがとうございます。 弊社としても皆様のお役に立てるよう、今後も活動を行っていこうと思います。