丸刈りがおれを強くする
やあ、よく来てくれたね。おれは坊主頭のアクズメだ。おれは人に読ませたくて文章を書いているがなかなか読んでくれる人がいないので頑張ってる。昨日は先日床屋のでき事を日記に書いたが、おれが言いたいことを十分に表現できなかったため、改まって記事を書くことにした。今回も髪型に関する話だ。
おれは坊主頭しているのが、単に毎朝寝癖を撫でつけるのが面倒と、なめられたくないからだ。きみは町を歩いている時に、見ず知らずの人に道を聞かれることがないか?おれはよくある。答えられるかどうかは置いといて、なぜそんなに頻繁に聞かれるか色々考えたが、それは外見から「僕が知的かつ聞かれても丁寧に対応してくれる」あるいは「人が良さそう」的な雰囲気が漂っているという結論が出た。道を聞かれるのは別にいい、わかれば答えて、わからなけれなすみませんちょっとわからないんですと言えばいい、絶対的の善行だ。だが本当に厄介なのは、良さそうな人の善良な心を利用しようと絡みつく連中だ。
大学一年の頃か、あの時のおれは本当にださいオタクだった。筋肉がない上で無個性なボリュームある短髪を被っていた。そんな奴が夜の街を歩くと、「どうぞ絡んでください」と言ってるみたいなもんだ。あの夜のことはよく覚えている。夕食にハンバーガーを食べて、G.I.JOEの映画を観た後、おれは駐車場に向かい、バイクに跨って帰宅しようとした、その時。
「やあ、若いの」誰かが話しかけてきた。周りは暗いせいでおれはかなりビビった。右後ろに振り向くと、60歳ぐらいの婆さんが立っていた。
「な、なんですかいきなり?」「へっへっへ、ドーモ、おばあちゃんです。なあ若いの、可哀想なおばあちゃんに、お金を恵んでくれや」「えっ、今なんだって」「おばあちゃんです。若いの、可哀想なおばあちゃんにお金を恵んでくれや」おばあちゃんはもう一度そう言い、手の平を上に向けておれに伸ばした。見た目は普通のアイロンをかけた髪型のおばあちゃんだが、こんな時間に暗い駐車場で見知らぬ人に金をねだるなんて相当やばい、それ程おれが弱く見えたかもしれない。
怪しいなおまえ、誰が金を渡すものか!と言いたいところだったが、当時のおれは文字通りの腰抜けだったのでこの状況を早く脱したい一心で、最悪行動を取った。
「……わかりましたよ、これでいいでしょう」おれは財布か、500円相当の紙幣を一枚をおばあさん渡した。彼女はそれを迅速に受け取り、ポケットに入れたが、まだどいてくれない。
「あの、場所を……」「まだあるでしょう?」「えっ」「まだあるでしょう。いま、サイフのなか、見たよ?もってちょうだい」「いや、さすがにそれは……」
図に乗ってきやがったぞ!さすがにこれ以上渡すわけにはいない。渡したら、おれの中に残っているプライドがコーヒーに投げ込んだマシュマロみたいに溶けて無くなるだろう。
「あれは、来週の食費ですよ、渡すわけには行かないよ!」「またパパとママからもらえばいいじゃない!可哀想なおばあさんとあなたの食費、どっちが大事なの!?」「い、家とはもう、大学入ってから縁を切ったんですよ!苦学生ですよ僕は!」これは嘘だ、おれはバイドすらしていない。
「ヘッ!けちなもやし野郎め!」おばあさんは毒づいて、闇の中に消えた。
「なんなんだよ……くそっ!」ヘルメットを被り、G.I.JOEがもたらした高揚感がすでに冷めきってしまった。気持ちは最悪。帰路に進みながら、おばあさんと、自分の情けなさを呪った。でもしょうがないじゃん、あのばばあがナイフを隠し持っているかもしれないし、おれがキレておばあちゃんに手を出したらどっか黒Tシャツを着た青少年が現れてをおれを囲んで棒で叩くかもしれないし。あの場は最低限の損失で穏便に済ませるのが一番だった……なわけあるかよ。くそ、おれにも力があらば、コブラに立ち向かう勇気があれば……
そんで次の学期で、おれは校内のジムを通い始めたとさ。
タフになるには
「おいおいおい、アクスメさんよぉ。今までの話は坊主頭と全く関係ねえじゃあねえか?」
今から話すさ。筋トレ始めて半年、一日二食を轍して酒も飲まなかったおかげてそれなりに大胸筋が膨らみ、腹筋も割ってきた。鏡に映った自分を眺めながら、何が足りないと思ったが、なかなか思いつかない。ちょうど、長すぎるナードスタイルにうんざりしたことで丸狩りにしてもらうと、問題が解決した。
「坊やは頭の形いいからね、誰でも似合う髪型ではないのよ」
それは……なんというか……その……タフガイだ。自分とは信じられないほどにタフガイだった。今の髪型と細マッチョのボディに相まって、まるでサンディエゴで、カルフォルニア南部の焼ける日差しの下、タコス屋の前で仲間とギャング式ハッグを交わすラテン系青年みたいだ。頭のなかにGTASAのCJがシーザーを妹の婿と認める場面がよぎった。大いに自信付けたおれは更に筋トレに励み、きつ目のタンクトップを着始め、四方から賛賞の声を受けた、主に男から、女子には坊主の時点でアウトらしい。今思えば、あれはおれの全盛期だったな。あの頃のきれいに割れたシックスパックはもう、戻らない。
たかが髪型変えただけでタフになれるか?ときみは疑問を持つでしょう。おれは心理学に詳しくないから詳しく言えないが、アピーリアンスとマインドは、互いに影響し合う。間抜けの格好していれば周囲からも間抜けだと扱われて、時間が経つと、自分も自身が間抜けだと思ってしまう。狂人の真似をしたら実際狂人。そいうことさ。実際おれが自分もタフになれると気づき、そう振る舞い初めてから、なめられることが少なくなった。変なおばあちゃんに絡まれることないし、街を歩くと道を譲られる事すらあった。
実践編
これを読んで、きみも丸刈りしたくなった?ならちょっとしたアドヴァイスしよう:
1.まずは五分刈りから:丸刈りは当人の頭形がかなり重要で、人を選ぶSTYLEとも言える。そのため、一気に刈りすぎず、五分刈りで様子見して、大丈夫だったら三分、いっそうスキンヘッドにしてもいい。似合わなかくても悲しむ必要はない。きみをタフにするSTYLEを探し、記事に書いて世の中に教えよう。
2.体を鍛えよう:坊主頭になったって、きみはいきなりタフになったわけがない。髪を切るだけなら誰でもできる。ジムに行く時間と金がないだと?なら、今すぐyoutubeの検索バーに筋肉体操で検索しよう。マッチョなイケメン四人が五分だけでかなり筋肉を追い込めてくれる。これはやらない理由がない。励め。
3.イキりすぎるな:三分刈りを決めて、筋肉バキバキになったきみは、サンディエゴの明るい陽の下に闊歩するギャング風のラテン系青年になり、道を譲られるし、人と目が合っても絶対に視線をそらさないぐらいのタフさを手に入れた。だが注意しろ、路傍のカフェテリアの日傘に下で、本物のメキシコギャングがきみを伺っていること。連中とは決して視線を合わせるな!お前はギャングではない!死ぬぞ!
おふざけタイム
なに?マッチョ坊主になってもまだまだ満足できない、さらなるダフさを求めると?うーむ、タフになる方向は人によっていろいろだから一概に言えないが……わかった、おれがもっとタフになる方法を教えよう。おれの場合、サングラスを掛けて、シュマグを頭に巻くのが一番手取り早い。こんな風にな。
オーケー、認めよう。おれは今までこんな格好して出かけることは一度もない。目立ちすぎるからな。
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