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読書記録#4 『世界がわかる理系の名著』

すでに『戦略読書』で提唱されていた、ビジネスと非ビジネスのバランスが、早くも崩れつつある……非ビジネス多めだな。(2024/01/13読了 非ビジネス基礎)

昨年末に、来年はどんな本を読もうかな、と読書案内として齋藤孝さんの『読書する人だけがたどり着ける場所』を読み、本書を手に取る。文系の人こそ理系読書をすべきだ、ということが書かれており、確かにこれまで避けてきた分野で、且つ『戦略読書』の三谷宏治さんも科学をはじめとする、いわゆる理系の本を非ビジネス基礎で勧められていたなと。

この手の読書案内本は、古典をわかりやすく要約し、著者のことも魅力的に紹介してくれるので、楽しく読めるのだが、ひとつ落とし穴が。読書案内を読んで、満足してしまうのだ。これでは、いかん!読書案内の目的は、紹介された本を読むことであり、紹介されたからには、読まなくてはいけない使命が生まれる。と、勝手に使命を負う。

非ビジネスのジャンルに、かなり偏りがあるため、本書にて紹介された、理系の古典を、せめて一冊は読もう。自戒を込めて。

今の私に響いた言葉のメモ

アインシュタインは学校の成績のよくない劣等生だった。子どもの頃から、暗記が必要な科目はまったくできなかったというのだ。このエピソードは間違いではないのだが、そのまま鵜呑みにできない。

(中略)

クリエイティビティーの高い仕事をする時に大切なのは、「頭を疲れさせないこと」だ。特に、高度に論理的な内容を考えアイデアを構築する際には、つまらないことで頭を疲弊させてはいけない。自分の頭の使い方に関して、アインシュタインは天才的な戦略を持っていたのである。

鎌田浩毅さんが『世界がわかる理系の名著』
のなかで

頭の使い方にまで、考慮したことがない。天才と謳われる方は、努力の天才とも言われるが、そもそも努力の仕方=頭の使い方をまず考えて、自分の時間と労力を有効に使っていたのだろう。無為に仕事や勉強を進めてはいけない。

これは2023年に読んだ、坂口恭平さんの『中学生のためのテストの段取り講座』に書かれていることに通ずる。何事も段取りが重要なのだ。

 本書では世界を動かした科学者の著作を十四点選んで取り上げている。彼らの多くが生きていた十九世紀〜二十世紀初頭は、価値観が大きく変化していった時代で、科学者たちもその例にもれず既存の価値観を崩していった。
 ここでパイオニアたちは大きな苦労をしたのである。新しいサイエンスを産みだすという本来の仕事の他に、社会の圧力に対抗して新たな考え方を世に出さなければならなかった。すなわち、創造力の発揮とはまったく別の能力が必要だったのである。

鎌田浩毅さんが『世界がわかる理系の名著』
あとがきのなかで

各名作の紹介に添えられる、名作誕生秘話がどれもドラマティックで、まさに事実は小説より奇なり、である。理系の古典を読むなど、典型的な文系の私には、かなりハードル高く感じていたが、著者の生い立ちや素晴らしい研究の成果が世に広められるまでのエピソードを読むと、なぜか身近に感じられるから不思議だ。

こうしてみると、人生の三分の一を経過しているにも関わらず、歴史を動かした古典や名作を読んでいないことに気づく。今からでも、歴史や世の流れに、もっと興味を持とうではないか。まずは理系の古典からはじめよう。

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