見出し画像

【アイドル×SNS広告】私のSNSに“推しの広告”が流れる仕組みをプロが解説

近年、企業発信だけではなく、個人やいちオタクが制作した広告も目にするようになりました。ぼく自身も、推しの応援広告をより効率的に多くの人に見られるにはどうしたらいいのだろう……と考えた結果、今回は、普段企業のSNS広告運用を担当するプロにSNS広告の仕組みや裏側のことをお聞きし、まとめました! みなさんが推しの広告を出す際の参考になるかもしれません!

最近JO1にハマっているそう…!

推しの広告が流れるオタクとそうでないオタクの差とは?

先日、推しの「INI」がCDを発売したのですが、その際にTwitter広告が使用されたため、Twitter上では「やったー! 広告が流れてきた!」「全然流れてこない……なんで?」という投稿を見ました。

みなさんは、推しの広告が流れてくる仕組みを知っていますか?

そもそも前提として、テレビCMや看板の広告などは掲載期間に対して規定の料金が発生しますが、SNS広告は「出稿料」という仕組みで運用されています。お金を払えば払うほど届くアカウント数が多くなる仕組みです。

では、広告を流せるアカウント数が限られている中で、どんなアカウントに広告を流すのか? その決定方法は下記などがあるそうです。

1.特定のカテゴリーに興味があるアカウントに広告を流す方法
→ゲーム、スポーツ、教育、金融、映画・テレビ、美容、旅行などなど20個以上のカテゴリーから選べる
2.特定のキーワードをつぶやいているアカウントに広告を流す方法
→ハッシュタグ化していなくても本文に特定のキーワードを入れた投稿をしたユーザーに流れる(過去に「INI」という文字が入った投稿をした方など)
3.特定のアカウントをフォローしているアカウントに広告を流す方法
→推しの公式アカウントをフォローしているフォロワー(+αその周辺の類似アカウント)に広告が流れる

とはいえ、推しをすでに知っている方に広告を流しても意味がない! と考える企業もいるため、その場合は、類似していたり競合(ライバル)となるアイドルを設定して、そのフォロワーに広告を流すことも。
年齢や性別でのターゲティングも可能ですが、Facebookと違ってユーザーが年齢や性別を設定しないので、投稿内容などから類推しているそう。


世に流れている広告は1種類じゃない!?

大規模なプロジェクトだと、広告のクリエイティブ(画像や動画など)がいくつか用意されていることがあります。自分にはAパターンが流れてきているだけで、実際にはBパターンや、Cパターンなどが他のアカウントには流れているかもしれないのです。

これは「検証」をしているから。最初はA~Cパターンの広告を流すのですが、5~10日が経過したら、最もパフォーマンスの良かったクリエイティブ1種類に絞ることで、その後の広告配信における費用対効果をよくする仕組みです。

パフォーマンスの良し悪しの判断軸は、企業の方針や施策の意義によって異なります。
・リーチ数
・動画の視聴率/完全視聴率
・記載されたURLのクリック数
・アプリのダウンロード数 などなど

みなさんに推しの広告が流れて来た際、添付された動画を見たり、記載されたURLをクリックしたりすれば、そのクリエイティブは「いいクリエイティブ」と判断されます。動画が見られない/URLをクリックされないと「よくないクリエイティブ」と判断され、そのクリエイティブは切られることもあります。パフォーマンスの低い広告にお金を使っても、出稿料がもったいないですからね……。SNS広告は、すべて数字でわかってしまうからこそシビアな世界。(もちろん、費用対効果やクリエイティブ別の成果は気にせずに配信をそのまま続ける企業もあるそう。)

ただし! 「クリック課金式」の広告の場合は、URLをクリックされないと出稿料が消化されません。自分がURLをクリックしなければその分、別の方に広告を出してくれるわけです。
とはいえ、広告を見ただけでは、URLをクリックした方がいい配信方法なのか、しない方がいい配信方法なのかは分からないので、何とも言えませんが……。


ハッシュタグに付く「オリジナル絵文字」って数千万円するんだよ

Twitterで特定のハッシュタグを付けると、オリジナルの絵文字が出る仕組みがあります。この絵文字、1つ作るのに数千万円かかるそう。韓国の推し「TXT」の場合は、グループ名とメンバー5人分の絵文字を制作していたので、トータルで1億円前後のお金を支払っていることが予想できます。す、すごい……!

テディベアじゃなく「ガチのクマ」であることが当時話題になりました。

発売前にSNS上でどれだけ投稿がされていたか / 盛り上がりを作れていたかが、売上げに比例するというデータもあるそうなので、大企業で取り組むケースが多いそう。

企業側は、ツイートが増えたり、情報がTwitter上で回ることでの認知率UPを期待して作成しているので、ぜひオリジナルの絵文字が出た際には、みなさんも積極的に使って投稿しましょう!


企業がSNS広告を使う理由は?

テレビCMやラジオ、新聞、雑誌、駅など広告を掲載できる場所はたくさんあるのに、そもそも企業側がSNS広告にお金をかける理由は何でしょう。

若年層向けの商材と相性がよかったり、比較的安いお金で出せたりすることもメリットではありますが、SNS広告には、効果が数字でわかる強みがあります。テレビCMの場合、放映期間に検索数やサイトのクリック数が上がったかどうかはわかりますが、果たしてどれだけの割合がテレビCM経由なのかはわかりません。一方、SNS広告の場合はどの広告がどれだけクリックされたのかがわかります。
つまり、〇〇円分の広告を出せば、△△枚分のCDが売れるというデータが取れれば、次回以降、△△枚のCDを売りたいから〇〇円分広告にお金を出そう! という逆算も可能になります。


オタクがSNS広告をする際にやるべきこと

以上の話を踏まえると、推しのSNS広告を出す際には、以下のことをやってみるといいかもしれません。

※許可取りに関しては事務所によってフローやルールが異なるので各自でお問い合わせください。また、駅によっては応援広告を出せる場所と出せない場所があるため、応援広告を掲出できる場所かどうか確認が必要です。
参考:https://www.jeki.co.jp/cheering_ad/about.html

・広告に使用する画像を数種類用意する
・最初は全種類を配信する
・5~10日間の中でクリック率の高かった広告に絞って流す

他にも全国配信ではなく、エリア指定をするのもよい。例えば某ライブ会場にいたであろう人に広告配信をするなど。就活に関する広告を扱う企業であれば、特定の大学の近くや学生がよく行くイベント会場などを使っているそう。


あとがき

推しを応援する方法に「広告」が取り入れられてからまだ日は浅いですが、寛容な事務所が増えてきているのを見ると、一定の効果はあるのかもしれませんね。
本来、自分が推しに使ったお金がどう役に立っているのかをオタクは知ることができなかったので……推しのPRに協力できているという“実感”を持てることは大いに意味がありそう。(これからは“体験”よりも重要になってくるかも?)

ぼくも“貢献できているという実感”を求めて、オタ活します。

それでは、みなさんも推しと、推しあわせに~!


この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?