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ドラマ日記『笑うマトリョーシカ』(最終回)

抜群の人気を誇る若き政治家・清家一郎(櫻井翔さん)と有能な秘書・鈴木俊哉(玉山鉄二さん)。得体の知れない不気味さに気付いた新聞記者・道上香苗(水川あさみさん)が、彼らを取り巻く黒い闇に迫るヒューマン政治サスペンス『笑うマトリョーシカ』の最終回。

官房長官・清家から「ブレーンになって欲しい」と直接言われたジャーナリスト・道上は、清家の近くで操る者を探るため、その提案を受け入れることに。清家が道上の意見を真綿のように吸収し、そのまま発言する姿を目の当たりにした道上は、充実感を抱く。

今話題の斎藤元彦兵庫県知事はその典型でしょうが、「権力とは蜜の味」であり、その「万能感」は容易に人を「勘違い」させるもので、ブレーンとして手応えを感じた道上は、危うく清家に取り込まれそうになりますが、何とか踏みとどまり、ブレーンを辞めることに。

BG株事件の証拠テープを元に、道上が書いた大スクープ記事は大きな反響を呼び、内閣は総辞職。そんな中、清家の亡父・和田島芳孝(加藤雅也さん)もBG株事件に関与していたことや、清家と和田島は生前交流があったことを知らされた道上。

清家にとってのハヌッセンは和田島だったのかも知れないと、再び清家に会いに行った道上。実は清家は誰にも操られておらず、むしろ操ろうと近づいてくる人間を利用。その上で「みくびるな」という思いで、相手にとって最悪のタイミングで、切り捨てていたのでした。

何かこれをやりたいという「明確な意思」を持っていない清家の「空虚さ」。それでいて「見くびられたくない」という「強烈な自意識」という相矛盾するものが彼の中に同居していて。「孤独」と「怒り」と言ってもいいのかも知れません。

そして5年後、総理大臣に上り詰めた清家を見続けてきた道上が、首相会見の場で対峙するシーンで終了。ドラマ的には陰謀論風に、背後に誰かがいるという結末の方が面白かった気はしますが、これはこれでありだったかな。

余談:NHK『中井貴一のサラメシ』は毎週見ているわけではありませんが、5日放送分は福岡・お酢の蔵元が登場するということで視聴。鉄道の「信号さん」に、銀行勤めの女性同期3人、今は亡き谷村新司さんが愛したナポリタンなど、いずれも面白かったです。


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