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ドラマ日記『嘘解きレトリック』(第2話)&『モンスター』(初回)

借金まみれの貧乏探偵・祝左右馬(鈴鹿央士さん)と、ウソを聞き分ける奇妙な能力者・浦部鹿乃子(松本穂香さん)の異色コンビが、「ウソ」と「マコト」が入り交じる難事件を解決していく、レトロモダンな路地裏探偵活劇『嘘解きレトリック』の第2話。

左右馬が藤島家の当主・幸弘(杉本哲太さん)から、“藤島幸弘、恨ミハ、忘レナイ”と書かれた手紙を見せられ、「対処に悩んでいる」と幸弘が話していると、女中が新たな手紙を持って来て、手紙には“千代(片山友希さん)を預かったので返して欲しければ金を用意しろ”と書かれていて…。

鹿乃子が左右馬の探偵助手になるまでが描かれた初回は、その特殊能力ゆえに故郷で虐められていた鹿乃子の陰鬱なシーンがありましたし、事件そのものも殺人絡みの残虐なものではありましたが、今回はライトなテイストで、より見やすくなっていました。

鹿乃子が嘘を見破った際の合図を取り決めていた左右馬が、子供相手のイカサマにそれを悪用する「お遊び」シーンも交えつつ、運転手・耕吉(宮崎秋人さん)による自作自演の誘拐だと見破る名推理。兄の借金の連帯保証人となっていたため、高利貸しに脅かされて事件を起こした耕吉。

ドラマおけるお金持ちというと、高飛車だったり冷酷だったりという描き方が多いですが、高飛車・千代も左右馬の名推理ぶりに、あっという間にゾッコン。幸弘も耕吉の人間性に免じてお咎めなしどころか、自分がそうさせていたのかもと自責の念。いささか甘過ぎる決着ではありました。

片山さんというと、『恐怖新聞』での役がトラウマ級に怖かったですが、朝ドラ『ブギウギ』や『何曜日に生まれたの』、『Believe-君にかける橋-』などのメジャー作品に普通に起用されるようになりましたね。

“常識”にとらわれず、“感情を排除”して相手と向き合う得体の知れないモンスター弁護士・神波亮子(趣里さん)が、まるでゲームのように法廷闘争に立ち向かう、異色のリーガル・エンターテインメント『モンスター』の初回。

神波亮子は突然、大草圭子(YOUさん)が所長を務める「大草圭子法律事務所」に現れ、「弁護士をやってみることにした」と言い出す。東大法学部卒の若手弁護士・杉浦義弘(ジェシーさん)は戸惑いを隠せない中、大草は亮子が来ることを知っていたようで、あっさりと受け入れてしまう。

初回メインゲストは、『作りたい女と食べたい女 シーズン2』に出演していた櫻坂46の藤吉夏鈴さんと、『めぐる未来』など主演作も少なくない萩原利久さん。藤吉さん演じる川野紗江の自殺を巡って、恋人だった塩屋遼(萩原さん)が自殺教唆の罪に問われていて、亮子が弁護を引き受けることに。

序盤の段階で、営業部長の上岡弘一(戸田昌宏さん)によるセクハラやパワハラがあるのだろうということは想像出来ましたが、最後の最後にもう一捻りあり。単なる法廷エンタメに終わらせない、橋部敦子さんの脚本が秀逸。

新人らしからぬ行動力で、杉浦を引っ張りまわし、時にグレーな手段もいとわない亮子。川野の前にターゲットになっていた原口若菜(辻凪子さん)の証言により、上岡はアウト。会社自体への集団訴訟も亮子が引き受け、見事に勝訴と出来過ぎ感さえ漂っていたのですが…。

証言に立った川野のカウンセラー・梅本ますみ(美波さん)の耳元で「嘘つき」と囁いた亮子。具体的な証拠はないため、裁判で取り上げなかったものの、梅本が川野の自殺に至る最後の引き金をひいたと確信する亮子は、梅本に会いに行き「人殺し」と。モンスターの背後にもう一人のモンスター。

趣里さんと見ていると、『ブラックペアン』の猫田だったり、朝ドラ『ブギウギ』のスズ子だったり、これまで培ってきた演技の引き出しが存分に活用されている感。視聴継続。


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