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ドラマ日記『あの子の子ども』(初回)

高校2年生の福(桜田ひよりさん)と、幼なじみの恋人・宝(細田佳央太さん)が避妊に失敗し、福の妊娠が発覚。決してなかったことにできない現実に悩み、葛藤する2人を描く、“ラブストーリーの一歩先”の物語『あの子の子ども』の初回。

高1の夏休み。宝の母で介護士の直実(美村里江さん)が夜勤で不在の日に、初めて性行為をして以来、避妊しながら幾度となく体を重ねてきた2人でしたが、高校2年生の春、宝が事後に避妊具が破れていることに気づいて…。

高校生の妊娠がテーマなので、重いと感じてスルーされる方がいるかも知れませんが、放送時間は1話23分なのであっという間。ターゲット層の一つである若者層は長尺が苦手といいますから、この位が正解。TVerの1.5倍速ならさらに時短に。

16歳設定の福と宝。俳優の実年齢は桜田さんが21歳、細田さんが22歳ですから、許容範囲。ちなみに、同じテーマの『14歳の母』(2006年)では、主人公を演じた志田未来さんの当時の年齢は13歳、相手役の三浦春馬さんは16歳でした。当時はよりリアルだったんですね。

小学4年の時、福が捨て猫を家に連れ帰りますが、母・晴美(石田ひかりさん)は「命に責任が持てるようになってから」と戻すように告げます。本作のテーマに被せた非常にわかりやすいセリフ。

捨て猫を飼ってくれる人を探して、町中を一緒に回ってくれたのが宝。以降、親しくなった二人は、中3のクリスマスにファーストキッス。そこから高1の夏に次のステップですから、かなり時間はかけている印象。

宝の母・直実は介護士で、月に何回か夜勤があるという設定が絶妙。高校生カップルが性行為をしようと思った場合、ホテル代はかなりの負担になりますからね。野外や部室などは論外。

ベッドシーンが目的ではないので、キスシーンや手つなぎ、初体験特有のあれこれなどがライトに描かれました。個人的には、カーテンがしっかり閉められていないのが気になりましたが。

避妊に失敗したと気が付いた二人が、スマホで情報をネット検索するあたりが現代的。アフターピルの問題など、社会的なテーマも含んでいるんですね。

福原遥さん主演の『18/40〜ふたりなら夢も恋も〜』が典型ですが、未成年の妊娠がテーマのドラマでは、男側が逃げ腰という設定が多いですが、今回は宝がしっかりと向き合おうとする姿勢を見せているところも、ちょっと新鮮ですし、こうあって欲しいという原作者の想いも感じられ。

宝の陸上地区予選を優先し、一人でクリニックに行った福でしたが、途中で逃げ出してしまい。一旦は現実逃避をはかりますが、宝から電話をもらって考え直し、再びクリニックに向かいますが、既に休診。さらに数日診療はなく。アフターピル72時間のタイムリミットを超えそうです。

分かりやすく、かつ過不足なく、丁寧に構成された蛭田直美さんの脚本はさすが。福の親友役の茅島みずきさんがずいぶん綺麗になってました。子役二人は「スマイルモンキー」所属の奈良澪さんと、湯田幸希さん。

奈良さんは有村架純さんや芳根京子さん、原菜乃華さんなどが演じた役の幼少期を、湯田さんは大河ドラマ『光る君へ』でまひろの弟役、『ブルーモーメント』第4話にも出ていました。

視聴継続決定。



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