ドラマ日記『花咲舞が黙ってない』(第5話)&『パーセント』(初回)
メガバンク東京第一銀行を舞台に、銀行の古い体質や不条理に黙ってられない花咲舞(今田美桜さん)が、毎回支店や本部で巻き起こる事件や不祥事を、スッキリズバッと見事に解決していく痛快銀行エンターテイメント『花咲舞が黙ってない』の第5話。
花咲舞と相馬健(山本耕史さん)の次なる臨店先は、山間の静かな温泉地にある眠山支店。老舗旅館の社長から、融資がおりずに困っていると相談を受けた二人は、支店長が納得する事業計画書を作成するために奔走。
グルメな相馬が、高齢の料理長の味覚が落ちていることを指摘。しかし、後進が育たず、他からのスカウトも難しい事から、舞らは地域の飲食店も巻き込んだ「泊食分離」を提案。渋る支店長(マギー)もやっと説得することができました。
しかし、密かに東京第一銀行と産業中央銀行の合併話が進んでいて、そうなると支店の統廃合は必至。同じ眠山に支店がある産業中央銀行の半沢直樹(劇団ひとりさん)が暗躍し、東京第一銀行よりもいい条件を老舗旅館に提示。融資話を横取りしていたのでした。
舞は昇仙峡(菊地凛子さん)に、事前に合併話を漏らすのはフェアではないと物申しすが、いつものようにあしらわれ。しかし、亡き恋人の川野(平原テツさん)とのことを思い出した昇仙峡は、半沢直樹に抗議。舞と昇仙峡との今後の共闘の伏線ですかね。
半沢直樹というと、堺雅人さんがあまりにも強烈なイメージなので、全く違うアプローチなのでしょうが、どうなんでしょうね、今回のキャスティングは。菊地さんとのバランスとかシリアス感とか。
若手プロデューサー・未来(伊藤万理華さん)と高校生・ハル(和合由依さん)が、性別や障害で語られる自らの“価値”に、何度も悩み、傷つきながらも、お互いの存在に力をもらって、少しずつ前に進んでいく、希望を見出す物語『パーセント』の初回。
未来は自身の企画が初めて採用されるが、編成部長・藤谷(橋本さとしさん)より、主人公を障害者に設定変更しろと告げられる。戸惑いながらも取材を始める未来は、車椅子に乗った高校生・ハルと出会う。ハルに不思議な魅力を感じるも、「障害を利用されるのは嫌や」と拒否され…。
現在『燕は戻ってこない』にも出演している伊藤さんのNHKドラマ初主演作。『お耳に合いましたら』(2021年)あたりから注目していますが、乃木坂46出身女優としては、山下美月さんと共に最も成功している印象。
舞台はローカルテレビ局ということになっていますが、「多様性月間」の特集ドラマという設定がNHKぽいなと。ドラマを作りたいものの、現在はバラエティー班の未来。
当初はハルに拒否された未来でしたが、諦めきれずにハルが所属する劇団「S」の稽古場を訪ね、メンバーも巻き込んで説得に成功。上司の植草(山中崇さん)は、メンバーも出演させることを安請け合いしてきた未来を叱るのですが…。
そこに現れた藤谷。出演者の10%を障害者にするといった「数値目標」を提案するのですが、その流れで未来の企画が通ったのも、「ジェンダーバランス」を考えて、若い女性のものを採用したのだと明かすのでした。
企画の内容そのものではなく、自らの属性(いまだ男性優位社会のテレビ業界における女性)によって採用されるという構図が、ハルの「障害を利用されるのは嫌や」と重なります。
むろん「感動ポルノ」的なドラマではないですが、賛否を敢えて引き出すような作品なのかなと。視聴者自身も問われているというか。脚本は『伝説のお母さん』『エンディングカット』の大池容子さん。制作統括に『心の傷を癒すということ』『カムカムエヴリバディ』の安達もじりさんがいます。
余談:朝ドラ『ちゅらさん』再放送。もう何周かしていますが、第30話で「あの小っちゃい、ゆっくり電車も好きだし」と、主人公・恵里(国仲涼子さん)が話していたのが、都電荒川線と初めて気が付きました。一風館の最寄り駅(停留所)が、「雑司ヶ谷(現:都電雑司ヶ谷」だとか。
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