ドラマ日記『新宿野戦病院』(第4話)&『あの子の子ども』(第5話)
新宿区歌舞伎町の「聖まごころ病院」に、突然アメリカ国籍の元軍医であるヨウコ・ニシ・フリーマン(小池栄子さん)が降臨。美容皮膚科医の高峰享(仲野太賀さん)と出会い、歯車が動き始める救急医療エンターテインメント『新宿野戦病院』の第4話。
聖まごころ病院では、大柄の米国人マイケルの侵入により、ヨウコが死闘を繰り広げていた。ヨウコが危機一髪の中、マユ(伊東蒼さん)は、高峰享が食べようとしていたペヤングの熱湯をマイケルにかけ、ヨウコを救い、無事マイケルは警察へ逮捕されるのだった。
今回のサブタイトルは「聖まごころ病院の秘密!?望まれず生まれた子供の苦悩!」で、まず母親のカヨ(臼田あさ美さん)の彼氏であるシンゴ(趙珉和さん)から性的虐待を受けていたマユ(伊藤蒼さん)は、カヨが援助交際の末に生まれた父親不明の娘だったことが判明。
また、ヨウコは院長(柄本明さん)とリツコ(余貴美子さん)が不倫してできた子供であり、はずき(平岩紙さん)と異母姉妹。はずき自身、女性に生まれてきたことや医師になれなかったことで苦悩してきた過去。
さらに、路上で苦しんでいた少女・カスミ(谷花音さん)は、先輩の子供を妊娠していて、密かに出産し、赤ちゃんポストに置いていこうとしていましたが、実際に生まれると「離れたくない」と豹変。
これにはずきは「望まれずにこの世に生まれた子はずっと辛い。ずっと苦しいの!」とぶち切れ。前期の『ブルーモーメント』、朝ドラ『虎に翼』、そして『新宿野戦病院』と「平岩紙劇場」が続く熱演ぶりでした。
舞(橋本愛さん)の誘いをすっぽかした勇太(濱田岳さん)。舞は「国家権力の犬!」と罵って、公園の遊具に八つ当たりで鞭を入れていましたが、これって恋愛フラグってことでいいんですかね。
今週も下ネタ全開の宮藤官九郎ワールド。「カーセックス」連呼や、「陰茎捕捉」、二郎系ラーメン店での「麺ぐり返し」など、やりたい放題でしたね。
高校2年生の福(桜田ひよりさん)と、幼なじみの恋人・宝(細田佳央太さん)が避妊に失敗し、福の妊娠が発覚。決してなかったことにできない現実に悩み、葛藤する2人を描く、“ラブストーリーの一歩先”の物語『あの子の子ども』の第5話。
福は宝の手を振り払って帰宅。翌日、以前にアフターピルを処方してもらおうと訪れたクリニックへ1人で向かう。診察を前に緊張が走る福だったが、診察室で待っていた医師の野田由紀(板谷由夏さん)は、そんな福の胸中をおもんぱかってか、淡々とした口調で福を診察台へ。
ドラマの中で、付き合っている女性が妊娠した場合、彼氏がどういう態度を取るのか。中絶を前提にするというパターンも多い中、宝の対応は100点。出産含めて、あらゆる可能性を探り、福の不安を一つずつ潰していこうという、これまでのドラマの中でも理想の彼氏キャラ。
とはいえ、今回の白眉は板谷さんの冷静かつ福に寄り添った診察シーンでした。「それは今のあなたには必要な言葉ではないですね」から始まった、練りに練られた脚本ですが、それを感情をコントロールしながら、演じ切った板谷さんが素晴らしかったです。
「あなたとパートナーは避妊の意識を持ち、避妊具の破損に気が付いて、しっかりと危機感を持ち、調べてアフターピルの存在にたどり着き、こちらの不備によって処方には至りませんでしたが、あなたは、ここまで来てくれた。自分で妊娠の可能性に気が付いて検査薬を買って、自分で調べて、今日ここに来てくれました。完璧です、川上さん」
号泣する福。