映画日記『名探偵コナン 100万ドルの五稜星』
定期的に映画館で映画を観る新習慣の第29弾。今回は、4月12日公開『名探偵コナン 100万ドルの五稜星』。劇場版『名探偵コナン』シリーズ第27弾。初日3日間で、観客動員227万人、興行収入33億円と好発進。演出は『緋色の弾丸』の永岡智佳さん、脚本は『ハロウィンの花嫁』の大倉崇裕さん。
北海道・函館の斧江財閥に、怪盗キッドからの予告状が届く。ビッグジュエルを追い求めているはずのキッドの目当ては、財閥が所蔵する新選組副長・土方歳三の日本刀だという。同じころ、名探偵コナンこと江戸川コナンは、西の名探偵の服部平次と共に函館を訪れていた。(シネマトゥデイから引用)。
かつて「週刊少年ジャンプ」では、人気作品が編集部の意向により、無駄に連載が引き延ばされることが横行。物語の舞台がドンドン大きくなるのと反比例して、作品の質が急落していくのが子供心に悲しかったです(例:『リングにかけろ』)。
もはや国民的行事、春の風物詩となった劇場版『名探偵コナン』も同じこと。青山剛昌先生の本音は知りませんが、日本テレビ・小学館・東宝といった製作委員会の、いかにも銭ゲバ企業たちが本コンテンツを止めさせることはなく。むしろ、毎年最高収益を目指し、あの手この手。
ドラマ版と比較すればわかる通り、劇場版はストーリー含めた世界観の広がりや、アクションなどの豪華さが売り。とはいえ、前作『黒鉄の魚影』のような方向性ばかりだと破綻するので、今回はジャパニーズ謎解きロマンに振った形。それでも不安なので、登場人物多目の「豪華幕の内弁当」方式。
劇場版は主人公のコナン以外にも、影の主人公と言っていい人物がフィーチャーされることがあり。前回は灰原哀でしたが、今回は服部平次と怪盗キッド。
謎解き部分は、正直とってつけたような子供騙し。さらに作品協力なのかスポンサーという立場なのか、北海道の観光紹介が無駄に多く、完全に作品の質を落としていて。大泉洋さんが出演していることや、彼の兄が函館市長ということもあるのでしょうが、やり過ぎ感。
とはいえ、年に一度のお祭りみたいなものとして本シリーズを楽しんでいる人にとっては、見どころが二つ。一つ目は、服部が和葉に告白できたかどうか。二つ目は、怪盗キッド関係者の設定変更と新設定。恐らく、数年後にこの設定が活かされる作品が作られるのでしょう。
正直、駄作ながら年に一度のイベント事として見るならよし。