ドラマ日記『おかえりモネ』(初回)
宮城県気仙沼で生まれ育ったヒロイン・百音(清原果耶さん)が、東日本大震災を経て、内陸の登米に移り住み、やがて気象予報士を目指す、朝ドラ『おかえりモネ』の初回。助走なしで、一気に視聴者を掴みにきた感。
2014年春、気仙沼市の離島・亀島で育った百音は、高校卒業を機に、内陸の登米市の大山主・新田サヤカ(夏木マリさん)の家に下宿して、森林組合の見習い職員として働き始める。娘が心配な父・耕治(内野聖陽さん)は、頻繁に百音に電話をするが、百音は仕事が忙しく中々連絡が取れない。
冒頭から嵐のシーン。本作の脚本家・安達奈緒子さんの代表作のひとつ『きのう何食べた?』の内野聖陽さんが、いきなりずぶ濡れで一気に引き込まれました。漁師(浅野忠信さん)の船バトンからの救急搬送で、百音が無事生まれ、BUMP OF CHICKEN「なないろ」のオープニングへの流れが完璧。
若手女優を評するのに“透明感”という表現がよく使われますが、清原さんもその一人。そんな彼女のイメージを活かしたオープニング映像。画面から風が吹いているようで、これから半年、爽やかな朝が迎えられそうです。全体にロケ撮影多めで解放感があります。
「森は海の恋人」という有名な畠山重篤さんの言葉がヒントになっているのでしょう。百音は気仙沼の島を離れ、登米の森林組合で働き始めている設定。百音が家族に告げた「島を離れたい…」という言葉が、彼女が抱えている“過去(心の傷)”を想像させます。
ちょいちょい入ってくる『きのう何食べた?』の西島秀俊さん。坂口健太郎さんも出し惜しみせず初回から出てきましたし、何気に『独眼竜正宗』の渡辺謙さんまで登場と豪華。『あまちゃん』でんでんさんは漁協から森林組合。牡蠣転生は、『ごちそうさん』のぬか床転生の例もあるので、驚かず。
初回演出は一木正恵さん。大河ドラマ『いだてん』で、演技未経験の菅原小春さんを抜擢した人。人見絹枝役の菅原さんが号泣演技を見せた「明日なき暴走」は神回でした。そうか、それで『おかえりモネ』にも、菅原さんがキャスティングされているんですね。
ドラマは初回が大事ですから、その意味ではほぼ満点(ナレーションは現時点ではちょっと気になる)。明日も楽しみ。
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?