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女優ノート『富田靖子さん』

気になる女優さんの出演作についての覚え書き「女優ノート」。今回は、2021年春ドラマ『生きるとか死ぬとか父親とか』に、吉田羊さんの母親役として出演する富田靖子さん(52歳)。

俳優(女優)は年齢によって演じる役が変化していきます。学園ドラマで女子高生を演じていた新人女優も、やがて働く女性を演じる若手女優となり、さらに年を重ねると、妻や母親役が似合う実力派女優へと成長。

『君に届け』では多部未華子さん、『逃げ恥』では新垣結衣さん、『わさび』では芳根京子さん、朝ドラ『スカーレット』では戸田恵梨香さん、『愛唄』では清原果耶さん、『35歳の少女』では竜星涼さん、『モコミ』では小芝風花さんの母と、今や母親役の代表格の富田さんですが、若い頃はアイドル女優として絶大な人気を誇りました。

中学3年生の時に12万7000人参加のオーディションで選ばれ、映画『アイコ十六歳』(1983 年)で主演デビュー。と同時に、アイドル歌手としても活動。CMにも多数起用され、進研ゼミスポンサーのラジオ番組なんかも担当していました。

映画監督との出会いにも恵まれ、大林宣彦監督『さびしんぼう』(1985年)、市川準監督『BU・SU』(1987年)、降旗康男監督『あ・うん』(1989年)といずれも名作で、富田さんの演技も高く評価されるようになりました。

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その後、『南京の基督』(1995年)ではヌードシーンも演じ、脱清純派へ舵を切りました。結婚・出産を経て、再度注目を集め始めたのは『鈴木先生』(2011年)。思い込みが激しく、ヒステリックな教師役を怪演。現在の母親役でも、その片鱗を時々見せますね。

富田さんは福岡出身ということもあり、方言を活かした役も印象的。『めんたいぴりり』(2013年)では福岡の明太子開発者の妻、朝ドラ『あさが来た』(2015年)では九州の炭鉱夫の妻、『植木等とのぼせもん』(2017年)では博多出身の小松政夫さんの母親を演じました。

芸能界に入って40年近く。大手芸能事務所アミューズでは、サザンンオールスターズや三宅裕司さんらと並ぶ最古参。

独身を貫き、女優業に邁進する天海祐希さんスタイルもいいでしょうし、大手を飛び出して、個人事務所で自由に活動する米倉涼子さんタイプもありですが、家庭と両立しつつ、今なお第一線で活躍し続ける富田さんも、女優の一つの理想形だなと。


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