ドラマ日記『コントが始まる』(第4話)『最高のオバハン』(第5話)ほか
売れないお笑いトリオ・マクベスと、彼らのファンになるファミレス店員・里穂子(有村架純さん)らが織りなす青春群像劇『コントが始まる』の第4話。粉チーズたっぷりのミートソースを食べたくなりました。
瞬太(神木隆之介さん)は、自分を否定し続けた母親(西田尚美さん)と疎遠状態にあり、数年間会っていない。と、なぜかそんな母からの着信が相次ぎ……。一方、つむぎ(古川琴音さん)は昔から傷ついた存在を放っておけない性格だった。そんなつむぎに、瞬太から何やら連絡がきて……。
危篤の知らせに、つむぎのアシストもあり、病院で母と再会した瞬太。この時点では「許す時間が足りない」と感じていた瞬太でしたが、母の死により強制終了。母の日前としては無難な落としどころかな。ファミレスの4杯目の珈琲もなかなか感動的で、作者不詳の古詩を思い出しました。
「かつて、この川を舟で渡ったことがある。あの時は、友と三人であった。想い返すほどに、懐かしい二人。どうして、先に逝ってしまったのか…。いやっ、あの頃から我々三人は、魂の交わりではなかったか?船頭さんよ、渡し賃だが、これだけどうぞ。あとの二人は、魂の人間」
スナックで働くうらら(小野莉奈さん)が本格登場。フラームの先輩の有村さんとは『中学聖日記』(2018年)以来かな。『オー!マイ・ボス!恋は別冊で』の最終回にも出てましたね。
次は、美容クリニックの敏腕経営者ハルコ(大地真央さん)に、編集者のいづみ(松本まりかさん)が翻弄されいく、痛快毒舌エンターテイメント『最高のオバハン 中島ハルコ』の第5話。
イケメン税務調査官の中村(平田雄也さん)が、ハルコクリニックにやって来た。実はハルコを面白く思わない従妹の聖子(高橋ひとみさん)が、ハルコクリニックのあることないことを、中村に吹き込んでいて…。
実は中村は、賄賂を迫る悪徳税務調査官で、世間知らずな聖子が騙されていたというオチ。今回もハルコがしっかりと成敗。脱税と節税は紙一重などともいいますが、税務当局の裁量もあるのでしょうね。
落ち込む聖子に、稼ぎのいい夫を持った「楽ちんな専業主婦」と言い切ってしまうところがハルコ流。その後、早期退職で家事を手伝っていなかった聖子の夫に、「家事を手伝わない夫は粗大ゴミ同然」とフォローを忘れず。とはいえ、ネットはちょっとざわついたようです。
名門国立大学の広報担当・真(松坂桃李さん)が、次々に巻き起こる不祥事に振り回されるブラックコメディ『今ここにある危機とぼくの好感度について』の第3話。
帝都大百周年記念イベントのゲスト・浜田剛志(岡部たかしさん)の主張が、思わぬことからネットで炎上。浜田が外国特派員協会の記者会見で、大学への批判を表明したため、帝都大の立場を説明するべく、三芳総長(松重豊さん)も会見することになる。真は想定問答集の作成に燃える。
渡辺あやさんの皮肉が、ますます冴えわたる脚本。秘書(安藤玉恵さん)は総長を叱咤してこういいます「しっかりなさってください。外国人記者は忖度なんかしてくれませんよ」。記者クラブ制度に守られた、様々な会見を彷彿とさせるこの辛辣さ。
好感度維持だけを目的に、“意味”のない言説で逃げようとし続けた総長でしたが、元教え子記者のキング牧師を引用した言葉「最大の悲劇は悪人の暴挙ではなく、善人の沈黙です」に、ついに「もう沈黙はしない」と宣言。松重さんの英語スピーチがカッコイイ。しかし、その先がまだあったとは…。