ドラマ日記『ザ・トラベルナース』『Sister』(初回)&『silent』(3話)
意識高すぎ直球ナース・那須田歩(岡田将生さん)と、ミステリアスな変化球スーパーナース・九鬼静(中井貴一さん)が、命の現場に改革のメスを入れる痛快医療ドラマ『ザ・トラベルナース』の初回。
アメリカで医療に従事する優秀なトラベルナース・歩は“ある人物”の要請で日本へ帰国。新しい勤務先「天乃総合メディカルセンター」でさっそくオペ看を任される。だが、ゴッドハンドと呼ばれる執刀医・神崎(柳葉敏郎さん)の診立てに異議を唱えた結果、手術室から追い出されてしまい…。
『ドクターX ~外科医・大門未知子~』の脚本家・中園ミホさんの新作。同じ医療ものですが、男性ナースのバディものというところが新しく、ユニークなキャラクターと設定、手慣れた構成、コメディ色もあり、『ドクターX』にはハマらなかった自分も楽しく見られました。
一見物腰の優しい静は、『家政夫のミタゾノ』を彷彿。神崎を脅かす場面では広島弁で凄み、歩には「バカナース」と。院長の天乃(松平健さん)だけがその正体を知っている模様。『ラジエーションハウス』みたいに、実は医師免許を持っているとかかな。
仲良しの姉・沙帆(瀧本美織さん)がいる妹・凪沙(山本舞香さん)が、初恋の相手・陽佑(溝端淳平さん)と再会したことから始まる、秘密と裏切りだらけのノンストップ・ラブサスペンス『Sister』の初回 。
広島から東京に出てきた凪沙は、人気スタイリストの自慢の姉・沙帆の紹介で、デザイン会社で働いている。デザイナーとして一人前になるのが夢である凪沙は、デザイン部の先輩にも恵まれ、充実した日々を送っていた。
冒頭シーン。姉が付き合っている男性を紹介されるとその人は…的な導入で、顔見せ無しで一週間前に遡り。同じ会社で陽佑が働いていたことを知る凪沙。
当初は初対面のフリをしてつれなかった陽佑でしたが、凪沙の仕事上の失敗をフォロー。二人が出会った頃の回想シーンでも発言していた「ヤバい奴だなあ」再びで、お互いを確認。嬉しさで一杯の凪沙でしたが…。
沙帆が付き合っていたのは陽佑と知り、ショックを受けた風沙。そんな中、歓迎会帰りに、謎の男に車に押し込まれ、襲われかけて、下着写真を撮られた風沙。陽佑が助けに入り、難を逃れますが、それを陰から見ていた沙帆と謎の男はグルのようで…。父絡みで、何か根深い恨みがありそうです。
高校時代、本気で愛するも別れてしまった紬(川口春奈さん)と想(目黒蓮さん)が、8年の時を経て偶然の再会、寄り添いながら現実を乗り越えていくラブストーリー『silent』の第3話。
紬と想、どちらも大切な存在だからこそ本当の気持ちを伝えることができなかった高校時代から8年の時が経ち、湊斗(鈴鹿央士さん)は今は自分が紬の1番近くにいるという自負と、心のどこかに残る不安を抱えながら過ごしていた。
「人が恋に落ちる瞬間を初めて見てしまった」と高校時代の紬と想を回想する湊斗。スピッツの楽曲といい、本作の脚本家・生方美久さんは『ハチミツとクローバー』がお好きなんでしょうね。今後も『ハチクロ』からの引用やオマージュがあるかも知れません。
それに続く「すごく仲のいい友達とすごく好きな人だったから、嬉しかった。すごく切なくて、ちょっとだけ嬉しかった。」という湊斗のモノローグが第3話全体を言い現わしていました。
恋愛ドラマにおける三角関係だけでなく、そこに友情という要素がしっかり組み込まれていて、この辺りの切なさも『ハチクロ』風味。今回も高校時代と現在で、違ったニュアンスでの「無視すんなよ」の使い分けが絶妙。
そうそう、やはり想は声を発することが可能でした。この設定もいずれどこかのシーンで、活かされるのでしょう。毎週楽しみ。