親友の死とギャル化の波紋…今週の『おむすび』(第5週)
“ギャル”の主人公・米田結(橋本環奈さん)が、あることをきっかけに “人のために役立つ喜び”に目覚め、“栄養士”を目指し、激動の平成から令和であっても、思いっきり楽しみ、時に悩みながら生きていく朝ドラ『おむすび』の第5週「あの日のこと」。
結が「鬼怒川の河童」こと四ツ木翔也(佐野勇斗さん)に、9年前のことを話し始めた月曜日。回想シーンでは、結(磯村アメリさん)の姉・歩(高松咲希さん)と親友・真紀(大島美優さん)の仲良しぶり。「じゃあ明日、学校で」が意味ありげなスローで、もう絶対これは…。
映画版『世界の中心で、愛をさけぶ』で、長澤まさみさんは泣きながら叫んでいました「(明日なんて)ないんだってばぁ…」。我々に与えられているのは「継続する現在」、今この瞬間のみ。死に直面した時、人はそのことを実感するのでしょう。
「このあと地震の描写があります」というテロップの後、結を庇う歩と避難所でのおむすび差し入れシーン。幼い子供ならではの空気がまだ読めない結の「ねえ、チンして」発言からの、地元出身の雅美(安藤千代子さん)の神戸への想いが涙を誘いました。
震災翌日、次々と被害の状況が口コミで知らされた火曜日。ライフラインが止まっている中、スマホもない時代の情報源は口コミとラジオというのが、避難所などの対応含め東日本大震災との違いを感じますし、逆に言えば阪神・淡路大震災の教訓がその後の震災対応へ活かされているのでしょう。
両親から外に出ないよう言われていた結と歩でしたが、家を見に行くと1階が潰れた無残な姿。そして、真紀の父・孝雄(緒方直人さん)からは、真紀がタンスの下敷きになり亡くなったことを告げられ…ワンカップの酒で悲しみを紛らす姿がなんとも…。
真紀からもらったCDなど歩の宝箱を回収してきた父・聖人(北村有起哉さん)がいい仕事。2004年パートに戻り、結の話を聞いた翔也が涙していて。「何であんたが泣くん?」と結が突っ込んでいると、祖父の永吉(松平健さん)が「結、ここにおったんか。打ち上げたい」とやってきて。
再び1994年。震災5日後に永吉が神戸にやってきた水曜日。永吉は「糸島に来い」というのですが、聖人は神戸の惨状を見捨てられず反発。しかし、市役所の若林建夫(新納慎也さん)らが仮設住宅の話などをして助け船。妻・愛子(麻生久美子さん)と子供たちを先に行かせ、自分はしばし残留。
真紀の死を知って以来、食事も取らないほど落ち込んでいる歩に、祖母・佳代(宮崎美子さん)は、「美味しいもん食べたら悲しいこと、ちょっとは忘れられるけん、食べり」と声をかけ。おむすびを食べながら涙する歩。佳代のこの言葉は結も使ってますから、口癖なのでしょう。
2004年、糸島フェスの打ち上げが米田家で行われ、「いざゆけ若鷹軍団」で盛り上がっていた木曜日。ダイエーホークスはこの年で最後となりますが、この球団歌はソフトバンクへも引き継がれました。案の定、聖人に呼び出された結は「自主練とは言ったが、書道部とは言ってない」と屁理屈(笑)。
震災から半年後、聖人が糸島にやってきて、仮設で理髪店を再開する提案をしますが、永吉が却下。歩は不登校となり、部屋に閉じこもっていましたが、安室奈美恵 with SUPER MONKEY'Sの「TRY ME ~私を信じて~」に後押しされるように高校進学を決意。
入学式当日、米田家の家族が食卓に集う中、歩は金髪&ルーズソックス姿で「いただきます」。聖人は絶句&反発しますが、愛子らは擁護。その後、学校呼び出し、退学、そして補導と続いていきました。
打ち上げの席で酔った聖人が、大演説をぶった金曜日。恩のある神戸を見捨てることが出来ず、娘たちのことが後回しになったことを涙ながらに激しく後悔。じっと見つめる結と、陰で聞きながら父の真意を知り、涙する歩。
歩の「私、偽物だから」、愛子の「次は歩の番だね」、結の「今日でギャル辞めます」と、次週以降に繋がるであろう言葉が散りばめられると共に、結と翔也と陽太(菅生新樹さん)と恵美(中村守里さん)による新たな四画関係勃発!?
予告によれば、第6週は『サンクチュアリ -聖域-』に主演した一ノ瀬ワタルさんが登場するようですね。佐賀県出身の九州勢。歩のマネージャー役ってことは、歩はほんとに大女優!?