ドラマ日記『監察医 朝顔』(最終回)
法医学者の朝顔(上野樹里さん)が、さまざまな事件と遺体に向き合っていく、ヒューマンドラマ『監察医 朝顔』続編の最終回。7分間に及ぶ感動のスピーチシーンがありました。
山倉(戸次重幸さん)たち野毛山署の刑事たちは、森本(森本慎太郎さん)が刺された現場周辺で犯人に繋がる痕跡を探していた。一方、興雲大学法医学教室では、三田村一家殺人事件を検証し直す。ところが、森本を襲った“頬に火傷の跡がある男(りんたろーさん)”が、新たな凶行におよび…。
事件パートでは、森本を刺した男がさらに2人殺害した後、学校に立て籠ったところを逮捕されるも、三田村一家事件の犯人ではなく、模倣犯と判明。真犯人は海外逃亡というスッキリしない展開ですが、世の中の“理不尽さ”の例として、敢えてこうしたんでしょう。あと、校舎が『青のSP』と同じ。
万木家パートでは、ついに朝顔と桑原の結婚式。つぐみのドレス姿も超可愛いけれど、なんといっても父・平(時任三郎さん)の7分間に及ぶスピーチが圧巻。「万感の思い」とは、まさにこのこと。続編は当分ないでしょうが、つぐみの成長具合は定期的に見たいです(『北の国から』化希望)。
洋画ですと、スピーチの伝統があるだけに、『英国王のスピーチ』(2010年)など、名スピーチ映画がたくさんありますが、一番有名なのはチャップリンの『独裁者』(1940年)でしょう。ヒトラーを皮肉った映画ですが、公開時期にまず感動します。フランスがナチスドイツに降伏した真っ只中。
私は皇帝になどなりたくない。支配も征服もしたくない。ユダヤ人も、ユダヤ人以外も、黒人も、白人も。私たちは皆、助け合いたいのだ。人間とはそういうものなんだ。お互いの幸福と寄り添いたいのだ。お互いの不幸ではなく。憎み合ったり、見下し合ったりしたくないのだ。
何百万もの絶望した男性たち、小さな子供たち。人々を苦しめる組織の犠牲者たち。私の声が聞こえている人たちに言う……。絶望してはいけない。私たちに覆いかぶさる不幸は、単に過ぎ去る貪欲であり、人間の進歩を恐れる者たちの憎悪なのだ。憎しみは消え去り、独裁者たちは死に絶えるであろう。人々から奪いとられた権力は、人々のもとに返されるだろう。
80年も前の映画ですが、今も全く同じ“理不尽”なことが世界中で行われていることに暗澹たる思いにもなりますが、独裁者たちが死に絶える日を希求。
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